からだと栄養素

たんぱくしつを上手にとって、
健康なからだをつくろう

からだをつくるのに欠かせない栄養素えいようそ
たんぱくしつについて知ろう

たんぱく質を上手にとって、健康なからだをつくろう
監修:学校法人 食糧学院 学院長・医師 馬渕知子
Point!
  • たんぱくしつってどんな栄養素えいようそ
  • 1日に必要なたんぱくしつの量は?どのようにとればいい?
  • たんぱくしつクイズに挑戦ちょうせん!食事での上手なとり方を知ろう

からだが大きく育つ成長期のみなさんは、からだの材料となる栄養素えいようそをしっかりとることが大切です。

中でもたんぱくしつは、からだを構成こうせいする主要な成分の一つです。たんぱくしつと言えば肉や魚、たまごなどをイメージする人が多いと思いますが、豆や豆製品まめせいひん、ご飯やパンといった穀類こくるいなどにも、たんぱくしつふくまれています。

今回は、からだづくりに欠かせないたんぱくしつについて、必要な摂取量せっしゅりょうや食事での上手なとり方を学んでいきましょう。

たんぱくしつってどんな栄養素えいようそ

たんぱくしつ五大栄養素ごだいえいようその一つで、主に「からだをつくる」という役割やくわりになっています。

五大栄養素ごだいえいようそ」についてくわしく知りたい場合は、こちらも読んでみましょう。

たんぱくしつはからだの中で、脂質ししつならんで水分の次に多い割合わりあいめており、成長期であるみなさんにとって、特に必要な栄養素えいようそです。

からだをつくる成分の割合

数値すうちは、性別せいべつ年齢ねんれい体型たいけいなどにより個人差こじんさがあります。
出典:新訂版しんていばん 栄養の生活科学

たんぱくしつ特徴とくちょう
・消化管でアミノさん分解ぶんかいされて吸収きゅうしゅうされる
・からだを構成こうせいする成分となる(筋肉きんにく臓器ぞうき血液けつえき皮膚ひふかみの毛やつめなど)
・からだを動かすエネルギーげんとしても利用される

不足すると…
足りないたんぱくしつおぎなうために、からだのたんぱくしつ分解ぶんかいされてしまいます。体力や免疫力めんえきりょくの低下、成長期には成長障害せいちょうしょうがいのおそれなどがあります。

1日に必要なたんぱくしつの量は?
どのようにとればいい?

1日に食事からとることが望ましいたんぱくしつの量は、年齢ねんれい性別せいべつ、身体活動レベルによってことなりますが、身体活動レベルが「ふつう」の場合の12~14さいの男女では、次の量が推奨すいしょうされています。

たんぱく質の推奨量と目標量(1人1日当たり)

推奨量すいしょうりょう栄養素えいようその不足をけるために必要とされる量です。
目標量:生活習慣病せいかつしゅうかんびょう発症予防はっしょうよぼうを目的として、とることが望ましいとされる量です。

部活動などでよく運動をする人は、必要な量もより多くなります。

動物性どうぶつせいたんぱくしつ植物性しょくぶつせいたんぱくしつを両方とろう!

食品に含まれるたんぱく質の量

たんぱくしつには、動物由来の食品にふくまれる「動物性どうぶつせいたんぱくしつ」と、植物由来の食品にふくまれる「植物性しょくぶつせいたんぱくしつ」があります。
動物性どうぶつせいたんぱくしつふくむ食品には、体内でつくることができない必須ひっすアミノさんをバランスよくふくむという特徴とくちょうがあります。これに対し、植物性しょくぶつせいたんぱくしつふくむ食品には、脂質ししつが少なくエネルギーのとりぎをふせげる、食物繊維しょくもつせんい豊富ほうふふくまれているものが多いなどの特徴とくちょうがあります。それぞれに利点があるので、両方を組み合わせて食べることが大切です。

たんぱくしつがしっかりとれるのはこんな食事!

食事例に含まれるたんぱく質の量

上の図は、たんぱくしつがしっかりとれる食事の一例です。
食事の中心となるおかずで動物性どうぶつせいたんぱくしつをとり、ご飯や汁物しるもの、その他のおかずで植物性しょくぶつせいたんぱくしつをとるようにするなど、料理を組み合わせて食べることで、十分なたんぱくしつを無理なくとりやすいことがわかりますね。

いつもの食事にプラス!手軽にとれるたんぱく質源しつげん

今日の食事ではたんぱくしつが少し足りていないかも……。
そんなとき追加の一品におすすめなのが、たまご納豆なっとう冷奴ひややっこ牛乳ぎゅうにゅう乳製品にゅうせいひんです。そのままや、簡単かんたんな調理で食べられる点が魅力みりょくです。また、野菜を使ったおかずの材料に、とりささみ、練り物やツナかん豆製品まめせいひんなどを加えてみるのも、たんぱくしつおぎなうよい方法です。

上手なとり方を考えてみよう!
たんぱくしつクイズ

たんぱくしつの上手なとり方について、さらに理解りかいを深めるための〇✕クイズに挑戦ちょうせんしてみましょう!

Q1朝はあまり食欲しょくよくがない。夕方の部活動後は一番おなかが空くので、夕食でまとめてたんぱくしつをとろう!このたんぱくしつのとり方は効率的こうりつてきでしょうか?

Q1

A1

体内で一度に消化・吸収きゅうしゅうしてからだの材料に使えるたんぱくしつの量はかぎられており、まとめて一食でとってもうまく活用できません。毎回の食事でとることを意識いしきしましょう。

Q2健康で丈夫じょうぶなからだをつくりたいから、栄養バランスのよい食事を基本きほんに、たんぱくしつをしっかりとるようにしている。この考え方は正しいでしょうか?

Q2

A2

健康で丈夫じょうぶなからだづくりには、栄養バランスのよい食事が基本きほんです。そしてたんぱくしつ筋肉きんにくだけでなく、ほねかみはだなどの健康や、免疫力めんえきりょく維持いじにも欠かせない栄養素えいようそです。自分に必要な量を十分にとりましょう。

Q3部活動の大会に向けて筋力きんりょくをアップしたい!たんぱくしつだけしっかりとっていれば筋肉きんにくえる。この考え方は正しいでしょうか?

Q3

A3

たんぱくしつは体内で消化・吸収きゅうしゅうされ、筋肉きんにく修復しゅうふくや成長のための材料になりますが、そのためにはいろいろな栄養素えいようその助けが必要です。スポーツをする人の食事は、全体的な量はえますが、栄養バランスのとれた3食を基本きほんとする点は一般的いっぱんてきな食事と同じです。

Q4少し体型たいけいが気になっていてやせたいので、たんぱくしつを多くふくむ食品は食べる量をらそうと思っている。この考え方は正しいでしょうか?

Q4

A4

脂肪しぼう筋肉量きんにくりょうが多いほど燃焼ねんしょうしやすくなるため、筋肉きんにくのもとになるたんぱくしつ体型たいけいが気になるときにもらさない方がよい栄養素えいようそです。極端きょくたん食事制限しょくじせいげんをすると、からだの機能きのう正常せいじょうに働かなくなり、さまざまな健康問題を引き起こすおそれがあります。注意しましょう。

Q5からだづくりといえばプロテイン!効率こうりつよく摂取せっしゅできるから、たんぱくしつはプロテインからとるだけで十分。このとり方でよいでしょうか?

Q5

A5

たんぱくしつを英語で「プロテイン」と言います。日本ではたんぱくしつを主成分にした栄養補助食品えいようほじょしょくひんを指すことが多いです。
プロテインは効率的こうりつてきなたんぱくしつ摂取せっしゅに役立ちますが、食事の代わりにはなりません。からだづくりには、たんぱく質源しつげんとなる食品から他の多様な栄養素えいようそをとることも大切です。複数ふくすうの食品を組み合わせて食べることで、特定の栄養素えいようそ過剰摂取かじょうせっしゅふせぐこともできます。

たんぱくしつをしっかりとる食生活について、
改めて考えてみよう!

たんぱくしつはからだづくりに欠かせない栄養素えいようそだということがわかりましたね。
たんぱくしつふくむ食品を毎回の食事にしっかりとり入れ、バランスのよい食生活をめざしていきましょう。

必要な栄養素えいようそをバランスよくとる食品の組み合わせ方「6つの基礎食品群きそしょくひんぐん」についてくわしく知りたい場合は、こちらも読んでみましょう。

栄養バランスをよくする「献立こんだて」についてくわしく知りたい場合は、こちらも読んでみましょう。

たんぱくしつは成長期のみなさんはもちろん、大人になってからも全ての年代で必要な栄養素えいようそです。
普段ふだんの食事でどのくらいたんぱくしつがとれていそうか、不足していそうならどんな食品を追加したらよいのか、家族や周りの人たちと話してみてくださいね。

出典:厚生労働省こうせいろうどうしょう「日本人の食事摂取基準せっしゅきじゅん(2020 年ばん)」
出典:文部科学省「日本食品標準ひょうじゅん成分表2020年ばん八訂はちてい)」
出典:厚生労働省こうせいろうどうしょう「e-ヘルスネット『良質りょうしつなたんぱくしつ』」
出典:厚生労働省こうせいろうどうしょう「食生活改善かいぜん指導しどう担当者たんとうしゃテキスト~栄養指導しどう・健康教育へん〜」
出典:厚生労働省こうせいろうどうしょう「身体活動とエネルギー・栄養素えいようそについて」