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たんぱく質を上手にとって、
健康なからだをつくろう
からだをつくるのに欠かせない栄養素、
たんぱく質について知ろう
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- Point!
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- たんぱく質ってどんな栄養素?
- 1日に必要なたんぱく質の量は?どのようにとればいい?
- たんぱく質クイズに挑戦!食事での上手なとり方を知ろう
からだが大きく育つ成長期のみなさんは、からだの材料となる栄養素をしっかりとることが大切です。
中でもたんぱく質は、からだを構成する主要な成分の一つです。たんぱく質と言えば肉や魚、卵などをイメージする人が多いと思いますが、豆や豆製品、ご飯やパンといった穀類などにも、たんぱく質は含まれています。
今回は、からだづくりに欠かせないたんぱく質について、必要な摂取量や食事での上手なとり方を学んでいきましょう。
たんぱく質ってどんな栄養素?
たんぱく質は五大栄養素の一つで、主に「からだをつくる」という役割を担っています。
▶「五大栄養素」について詳しく知りたい場合は、こちらも読んでみましょう。
たんぱく質はからだの中で、脂質と並んで水分の次に多い割合を占めており、成長期であるみなさんにとって、特に必要な栄養素です。
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※数値は、性別、年齢、体型などにより個人差があります。
出典:新訂版 栄養の生活科学
■たんぱく質の特徴
・消化管でアミノ酸に分解されて吸収される
・からだを構成する成分となる(筋肉や臓器、血液や皮膚、髪の毛や爪など)
・からだを動かすエネルギー源としても利用される
■不足すると…
足りないたんぱく質を補うために、からだのたんぱく質が分解されてしまいます。体力や免疫力の低下、成長期には成長障害のおそれなどがあります。
1日に必要なたんぱく質の量は?
どのようにとればいい?
1日に食事からとることが望ましいたんぱく質の量は、年齢や性別、身体活動レベルによって異なりますが、身体活動レベルが「ふつう」の場合の12~14歳の男女では、次の量が推奨されています。
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推奨量:栄養素の不足を避けるために必要とされる量です。
目標量:生活習慣病の発症予防を目的として、とることが望ましいとされる量です。
部活動などでよく運動をする人は、必要な量もより多くなります。
動物性たんぱく質と植物性たんぱく質を両方とろう!
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たんぱく質には、動物由来の食品に含まれる「動物性たんぱく質」と、植物由来の食品に含まれる「植物性たんぱく質」があります。
動物性たんぱく質を含む食品には、体内でつくることができない必須アミノ酸をバランスよく含むという特徴があります。これに対し、植物性たんぱく質を含む食品には、脂質が少なくエネルギーのとり過ぎを防げる、食物繊維も豊富に含まれているものが多いなどの特徴があります。それぞれに利点があるので、両方を組み合わせて食べることが大切です。
たんぱく質がしっかりとれるのはこんな食事!

上の図は、たんぱく質がしっかりとれる食事の一例です。
食事の中心となるおかずで動物性たんぱく質をとり、ご飯や汁物、その他のおかずで植物性たんぱく質をとるようにするなど、料理を組み合わせて食べることで、十分なたんぱく質を無理なくとりやすいことがわかりますね。
いつもの食事にプラス!手軽にとれるたんぱく質源
今日の食事ではたんぱく質が少し足りていないかも……。
そんなとき追加の一品におすすめなのが、卵、納豆や冷奴、牛乳や乳製品です。そのままや、簡単な調理で食べられる点が魅力です。また、野菜を使ったおかずの材料に、鶏ささみ、練り物やツナ缶、豆製品などを加えてみるのも、たんぱく質を補うよい方法です。
上手なとり方を考えてみよう!
たんぱく質◯✕クイズ
たんぱく質の上手なとり方について、さらに理解を深めるための〇✕クイズに挑戦してみましょう!
Q1朝はあまり食欲がない。夕方の部活動後は一番お腹が空くので、夕食でまとめてたんぱく質をとろう!このたんぱく質のとり方は効率的でしょうか?
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A1✕
体内で一度に消化・吸収してからだの材料に使えるたんぱく質の量は限られており、まとめて一食でとってもうまく活用できません。毎回の食事でとることを意識しましょう。
Q2健康で丈夫なからだをつくりたいから、栄養バランスのよい食事を基本に、たんぱく質をしっかりとるようにしている。この考え方は正しいでしょうか?
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A2◯
健康で丈夫なからだづくりには、栄養バランスのよい食事が基本です。そしてたんぱく質は筋肉だけでなく、骨、髪や肌などの健康や、免疫力の維持にも欠かせない栄養素です。自分に必要な量を十分にとりましょう。
Q3部活動の大会に向けて筋力をアップしたい!たんぱく質だけしっかりとっていれば筋肉は増える。この考え方は正しいでしょうか?
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A3✕
たんぱく質は体内で消化・吸収され、筋肉の修復や成長のための材料になりますが、そのためにはいろいろな栄養素の助けが必要です。スポーツをする人の食事は、全体的な量は増えますが、栄養バランスのとれた3食を基本とする点は一般的な食事と同じです。
Q4少し体型が気になっていてやせたいので、たんぱく質を多く含む食品は食べる量を減らそうと思っている。この考え方は正しいでしょうか?
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A4✕
脂肪は筋肉量が多いほど燃焼しやすくなるため、筋肉のもとになるたんぱく質は体型が気になるときにも減らさない方がよい栄養素です。極端な食事制限をすると、からだの機能が正常に働かなくなり、さまざまな健康問題を引き起こすおそれがあります。注意しましょう。
Q5からだづくりといえばプロテイン!効率よく摂取できるから、たんぱく質はプロテインからとるだけで十分。このとり方でよいでしょうか?
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A5✕
たんぱく質を英語で「プロテイン」と言います。日本ではたんぱく質を主成分にした栄養補助食品を指すことが多いです。
プロテインは効率的なたんぱく質の摂取に役立ちますが、食事の代わりにはなりません。からだづくりには、たんぱく質源となる食品から他の多様な栄養素をとることも大切です。複数の食品を組み合わせて食べることで、特定の栄養素の過剰摂取を防ぐこともできます。
たんぱく質をしっかりとる食生活について、
改めて考えてみよう!
たんぱく質はからだづくりに欠かせない栄養素だということがわかりましたね。
たんぱく質を含む食品を毎回の食事にしっかりとり入れ、バランスのよい食生活をめざしていきましょう。
▶必要な栄養素をバランスよくとる食品の組み合わせ方「6つの基礎食品群」について詳しく知りたい場合は、こちらも読んでみましょう。
▶栄養バランスをよくする「献立」について詳しく知りたい場合は、こちらも読んでみましょう。
たんぱく質は成長期のみなさんはもちろん、大人になってからも全ての年代で必要な栄養素です。
普段の食事でどのくらいたんぱく質がとれていそうか、不足していそうならどんな食品を追加したらよいのか、家族や周りの人たちと話してみてくださいね。
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出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
出典:厚生労働省「e-ヘルスネット『良質なたんぱく質』」
出典:厚生労働省「食生活改善指導担当者テキスト~栄養指導・健康教育編〜」
出典:厚生労働省「身体活動とエネルギー・栄養素について」