SDGs※は、地球上のいろいろな課題を解決し、将来に渡って私たちの暮らしや地球を守りながら、豊かで幸せな未来を築いていくために作られました。SDGsは、大人も子どもも、一人ひとりが日々の生活の中でできることから考え、行動することで、2030年までの達成をめざしています。
※ 英語では「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」といい、各単語の頭文字をとってSDGsと呼ばれています。
Q&Aで考えてみよう!SDGsと食生活のぎもん
2030年までに私たちができること
- SDGsについて考えてみよう!
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- 1.SDGsって何?
- Q1-1SDGsって何?
- Q1-2SDGsの目標にはどんなものがあるの?
- Q1-3SDGsは、私たちにどんな関係があるの?
- 2.SDGsと私たちの食生活のいま
- Q2-1世界中で満足な食事ができない人はどのくらいいるの?
- Q2-2栄養が十分に摂取できないとどうなるの?
- Q2-3食べものがいっぱいあれば健康でいられるの?
- Q2-4日本で消費される食料はどこからきているの?
- Q2-5日本の食品ロスはどのくらい?
- 3.2030年までにできること
- Q3-1世界の飢餓に対してできることは?
- Q3-2日本の相対的貧困を解決するためには?
- Q3-3栄養バランスのよい食事をとるためには?
- Q3-4日本で生産される食料を増やしていくためには?
- Q3-5お店や家庭で、食品ロスを減らすためには?
2030年までに達成する目標の「SDGs(エスディージーズ)」という言葉を、教科書やニュースで見たり、聞いたりしたことがある人も多いと思います。
2030年にみなさんは何歳になり、何をしているでしょうか。学校で勉強をしている人も、働いている人もいると思います。それぞれの未来を思い浮かべてみましょう。
2030年までの目標「SDGs」って?
私たちにどんな関係があるの?
いま、私たちが暮らす地球上にはたくさんの問題があります。その中には、環境破壊による地球温暖化や気候変動による自然災害の増加、食料危機や貧困、紛争など、このままでは将来地球に今のように暮らせなくなるかもしれません。
そこで、世界中の人が安心して暮らし続けられるように、世界の国や地域が協力して、共に成長し、他者を思いやり、環境を大切にしていくための取り組み「SDGs」という目標が立てられました。
Q&Aで考えてみよう!SDGs
〜1.SDGsって何?〜
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Q1-1SDGsって何?
A1-1「地球上の誰一人として取り残さない」をキーワードに作られた、世界共通の目標です。
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Q1-2SDGsの目標にはどんなものがあるの?
A1-2SDGsには17の目標とそれを解決していくための具体的な169のターゲットがあります。
17の目標はそれぞれつながり、関係しあっています。
SDGs17の目標
1. 貧困をなくそう/2. 飢餓をゼロに/3. すべての人に健康と福祉を/4. 質の高い教育をみんなに/5. ジェンダー平等を実現しよう/6. 安全な水とトイレを世界中に/7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに/8. 働きがいも 経済成長も/9. 産業と技術革新の基盤をつくろう/10. 人や国の不平等をなくそう/11. 住み続けられるまちづくりを/12. つくる責任 つかう責任/13. 気候変動に具体的な対策を/14. 海の豊かさを守ろう/15. 陸の豊かさも守ろう/16. 平和と公正をすべての人に/17. パートナーシップで目標を達成しよう -
Q1-3SDGsは、私たちにどんな関係があるの?
A1-3一人ひとりが、SDGsを理解し、考えて行動することが、よりよい未来を作るために必要です。
SDGsは、地球上に暮らす、すべての人に関係があります。私たちの安全・安心な生活、暮らしの豊かさ、そして地球環境を含め、身の回りのさまざまなことに問題が含まれているからです。よりよい未来のために、SDGsの知識を深め、「私たちに何ができるかな?」と考え、取り組んで、行動していくことが大切になります。
Q&Aで考えてみよう!SDGs
〜2.SDGsと私たちの食生活のいま〜
ほかに、SDGsには食生活に関わるどんな課題があるのか見てみましょう。
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Q2-1世界中で満足な食事ができない人はどのくらいいるの?
A2-1およそ8億1,100万人以上(2020年度調査)ともいわれています。
飢餓とは、食べるものが手に入らず、栄養不足などの面から生活が困難になっている状態をいいます。世界には、1日中、何も口にすることができない、またはほんの少ししか食べられず、苦しんでいる人がたくさんいます。
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Q2-2栄養が十分に摂取できないとどうなるの?
A2-2年齢に対して身長が低すぎる発育阻害など、健康と生命に深刻な問題が起こります。
世界では、およそ1億4,900万人の5才未満児が年齢に対し身長が低すぎる発育阻害、4,500万人以上が身長に対して体重が少なすぎる消耗症、3,900万人近くが体重過多であると推定されています(2020年度調査)。栄養が十分に摂取できないと、病気にかかりやすくなり、命を落とすことさえあります。
また、日本は、食べものが豊富で困っている人が少ないと思われがちですが、子どもの約7人に1人が相対的貧困※にあるといわれ、深刻な問題になっています。
※ 相対的貧困とは、ごく簡単にいうと「その国の“ちょうど真ん中の暮らし”の半分にも満たない」お金で生活しなくてはいけない状態のことです。 -
Q2-3食べものがいっぱいあれば健康でいられるの?
A2-3健康でいるためには、栄養バランスのよい食事と日頃の食習慣が大切です。
食べものをたくさん食べればよいというわけではなく、私たちが将来に渡って健康で元気に生活するには、栄養バランスのよい食事が大切です。
また、朝食を抜く、甘いものばかり食べる、夜遅くに食べるなどを繰り返す食習慣を続けると栄養のバランスが崩れ、将来、生活習慣病※になりやすくなります。
※ 生活習慣病とは:不適切な食習慣や運動不足、睡眠不足などの生活習慣が深く関わって発症・進行する病気のことです。 -
Q2-4日本で消費される食料はどこからきているの?
A2-4半分以上が海外からです。
2019年度の日本の食料自給率(日本国内で消費される食料のうち、どのくらい国内の食料生産でまかなえているかを示す割合)は38%です(2019年度 カロリーベース)。日本は、2030年度までに食料自給率を45%まで引き上げることをめざしています。
半分以上の食料が海外から輸入されている日本は「フード・マイレージ※」がとても高い国で、地球環境に大きな負担を与えています。※ フード・マイレージとは、食料輸送にともなう環境への影響を示す指標で「食料の量×輸送距離」で表されます。食料を運んでくる距離が長いほど、多くのエネルギーが必要になり、二酸化炭素をたくさん排出します。二酸化炭素は地球温暖化の原因のひとつ。つまり、海外から輸入される食料が多いほど、フード・マイレージが高く、環境にも負荷がかかります。
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Q2-5日本の食品ロスはどのくらい?
A2-5日本の食品ロスは年間472万トン※。これは日本人一人当たり、毎日おにぎり1個分を捨てているのと同じ量になります。
※ 農林水産省及び環境省「食品ロス量」(令和4年度推計値)世界には、十分な栄養がとれない子どもがたくさんいます。それなのに、日本では半分以上の食料を海外から輸入し、まだ食べられる食料を捨てています。また、捨てることは、輸送や焼却にエネルギーが必要になり、環境にも負荷がかかります。
日本の中だけでも、以下のような課題があることがわかりましたね。
・約7人に1人の子どもが相対的貧困にある
・食料自給率が低い
・フード・マイレージが高い
・食品ロスが多い
Q&Aで考えてみよう!SDGs
〜3.2030年までにできること〜
これまで紹介したさまざまな問題に対して、私たちは何ができるでしょうか?答えや解決策は一つではありません。ほかにも私たち自身で何ができるか、一緒に考えてみましょう!
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Q3-1世界の飢餓に対してできることは?
A3-1日本は、世界のさまざまな国々を支援しています。
発展途上国への支援、また国連世界食糧計画(WFP)などの国際機関を通じて、世界の飢餓や貧困に対するさまざまな支援を行っています。
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Q3-2日本の相対的貧困を解決するためには?
A3-2政府による「子どもの未来応援プロジェクト」などがあります。
日本国内の子どもの貧困対策としては、例えば、政府による「子どもの未来応援プロジェクト」があります。このプロジェクトでは、国や地方自治体の支援がまとめられています。また、企業や人が募金や寄付を行い、困っている子どもたちをサポートする取り組みも行われています。
それから、解決策のひとつとして、子どもを支援する「子ども食堂」という場所があります。「子ども食堂」は、無料または低額で子どもたちに食事を提供する取り組みですが、地域の誰もが利用できたり、食文化のことが学べたりするなど、いろいろな人とつながりを持てる場が広がっています。
自分の住んでいる地域のまわりにはどんな取り組みがあるか調べてみましょう。 -
Q3-3栄養バランスのよい食事をとるためには?
A3-3朝ごはんを食べること、いろいろな食材をバランスよく食べるなどの食習慣を身につけることが大切です。
朝ごはんをしっかり食べることは1日を元気にはじめるためにも、私たちの成長にも大切な役割をもっています。
さらに、毎日の食事で五大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、無機質(ミネラル))をバランスよくとりいれられるといいですね。ほかにもできることを考えてみましょう。
〈参考〉私たちの健康や成長のために五大栄養素を知ろう! -
Q3-4日本で生産される食料を増やしていくためには?
A3-4地産地消や家庭菜園などがあります。
その地域で生産されて、その地域で消費することを「地産地消」といいます。地域で生産された食材を選ぶことで、Q2-4で紹介した食料自給率を高め、フード・マイレージを減らすことに役立ちます。また、食材の鮮度が保てる、地域が活性化するなど、いろいろなメリットがあります。
日本の食文化のことを知り、食への興味を深めることも大切です。ぜひ、自分の住んでいる地域で生産された食材や食の文化を調べてみましょう。 -
Q3-5お店や家庭で、食品ロスを減らすためには?
A3-5買い物の仕方、食事の作り方、食べ方の3つのシーンで工夫してみましょう!
みなさんは、食事の前にお菓子を食べすぎてしまい、食べきれずに残してしまった、という経験はありますか?食事を残してしまった時は「どうして食べきれなかったんだろう?」と考えてみましょう。
また、買い物、料理、食事などのシーン別でもできることはないか想像してみましょう。
買い物
あらかじめ冷蔵庫の中にある食材を把握して、余計な食材を買わないように工夫する。
料理
野菜でまだ使える部分を捨てていないか、また、料理を作りすぎていないか確認する。
食事
残った料理は保存容器で保存する。また、アレンジして別の料理に生かす。
他にもどんな工夫ができるのか考えてみましょう。
SDGsの目標達成に向けて今日から一人ではじめられることもあれば、友達や家族、住んでいる地域、企業など、さまざまな人や団体と協力することで実現できることもあります。
世界では多くの国々や企業、団体、人々が2030年のSDGsの目標達成に向けて活動しています。どんな活動をしているのか、インターネットや書籍で調べたり、お家の人に相談したりするのも、取り組みのヒントになります。私たちの豊かな未来のために、いま、できることからSDGsの目標達成に向けてチャレンジしましょう!
ところで、企業ではどんな取り組みをしているのでしょうか?
キユーピーの取り組みについてご紹介します。
キユーピーの取り組み例
キユーピーは、「食を通じて社会に貢献する」という精神のもと、健やかな食生活の実現をめざし、食の大切さ・楽しさをお伝えする活動を続けています。
【資源の有効活用】についての取り組み
※ひもづくSDGs の目標「12.つくる責任 つかう責任」
- ◆日本の卵の約10%を扱うキユーピーグループでは、卵の殻もお米を作るときの肥料や栄養強化食品に活用するなど、卵を100%有効活用しています。また、カット野菜の製造工程で発生するキャベツ・レタスの未利用部(外葉や芯など)は、牛が食べる飼料などに生まれ変わらせています。
【食育】に関する取り組み
※ひもづくSDGs の目標「2. 飢餓をゼロに」「3. すべての人に健康と福祉を」「4. 質の高い教育をみんなに」
- ◆工場見学(オープンキッチンやマヨテラス)
食に関わるいろいろなイベントを実施し、オンラインでの見学も開始しています。
予約サイトはこちら - ◆マヨネーズ教室
「マヨスター」が全国の小学校を訪れ、マヨネーズのひみつや野菜を摂ることの大切さについて学び、マヨネーズの手づくり体験をします。オンラインでの実施も開始しています。 - ◆キユーピーみらいたまご財団
キユーピーは2017年に「キユーピーみらいたまご財団」を設立しました。食育活動や子ども食堂など、食を通した子どもの居場所づくりに取り組む団体への寄付を中心とした助成活動を行っています。
キユーピーグループコミュニケーションブック
みなさんも、SDGsの17の目標達成のために、自分でできること、みんなと協力してできることなどを考えて身近なことからはじめてみましょう。
- 出典:
- 外務省Webサイト「SDGsとは?」
- 出典:
- 環境省「子ども向けESD・SDGsパンフレット」
- 出典:
- 国連食糧農業機関(FAO)含む、国連5機関「世界の食料安全保障と栄養の現状 2019年報告」
- 出典:
- 農林水産省「食料需給表」