食生活のぎもん

食べもの大変身!
食品の元の姿すがたを考えてみよう

姿すがたを変える食べものについて知ろう

食べもの大変身!食品の元の姿すがたを考えてみよう
Point!
  • 食べものの元の姿すがたを考えてみよう
  • 大豆の大変身を見てみよう!クイズに挑戦ちょうせん
  • 米や牛乳ぎゅうにゅう、小麦も変身!姿すがたを変える食品

わたしたちが毎日、お家や学校、レストランなどで食べる料理には、いろいろな食品が使われていますね。では、その食品がどのようにつくられているのか、元はどんな姿すがたをしていたのか、知っていますか?

食べものには、生産地でとれてからわたしたちの食卓しょくたくに上るまでに、姿すがたを変えるものがたくさんあります。
食べものがさまざまな加工や調理により変身することで、食品のバリエーションがえ、わたしたちの食生活もゆたかになっています。
今回は、食べものの大変身を一緒いっしょに見てみましょう。

わたしたちの食生活で大活躍だいかつやく
変身上手な大豆

日本の食卓しょくたく大活躍だいかつやくしているのが、古くから和食で食べられてきた大豆です。
大豆は「畑の肉」ともばれる栄養価えいようかの高い食べものです。そして、みそやしょうゆ、納豆なっとうなどさまざまな食品の原材料になっており、姿すがたを変える食べものの代表だいひょうかくでもあります。
まずは、日本人の食生活に欠かせない、大豆の変身を見てみましょう!

大豆の大変身を見てみよう!
クイズに挑戦ちょうせん

大豆が変身上手な理由は、る・る・しぼる・油を取り出すといった加工の種類の多さにあります。中には、何回も加工されて完成する食品もあります。

加工方法によって大豆が何の食品に変身するのか、クイズに挑戦ちょうせんしてみましょう!

クイズにチャレンジしよう

下の図の「?」に当てはまる加工食品を予想してみましょう。予想できたら、「?」をクリックして答えを確認かくにんしてくださいね。

大豆の大変身を見てみよう!クイズに挑戦

※しょうゆには、大豆を丸ごと原料に使った「丸大豆しょうゆ」と、大豆から油分を取りのぞいた脱脂だっし加工かこう大豆だいずを原料としたしょうゆがあります。

大豆が肉そっくりに変身!?代替だいたいにくの「大豆ミート」

肉の代わりに大豆を使ったハンバーグやからげがあることを知っていますか?

「大豆ミート」は、油分を取りのぞいた大豆に熱や圧力あつりょくを加え、乾燥かんそうさせて肉のように加工した食品です。高たんぱくでありながら、動物性どうぶつせいの肉にくらべて低脂質ていししつ・低カロリーなため、関心が高まっています。
また、牛やぶたを育てる過程かていでは、地球ちきゅう温暖化おんだんか原因げんいんとなる温室おんしつ効果こうかガスも多く排出はいしゅつされます。そうした環境面かんきょうめんでの影響えいきょうからも、大豆ミートをはじめとする植物由来の代替だいたいにくが、世界的に注目されています。

食生活をささえる、姿すがたを変える食品

スーパーマーケットへ買い物に行くと、野菜や果物、肉、魚、たまごなどの生鮮せいせん食品しょくひんの売り場とならんで、加工食品の売り場がありますよね。たくさんの種類の食品があるおかげで、わたしたちはバラエティゆたかな食事を楽しむことができます。

食べものを加工することで、味や食感が変化したり、食べやすくなったり、保存性ほぞんせいが高まったりします。例えば変身上手な大豆も、生のままでは食べることはできません。さまざまな姿すがたに変身することで活躍かつやくしています。

次は、食卓しょくたくになじみの深い、米、牛乳ぎゅうにゅう、小麦、とうもろこし、いも、魚の変身を見てみましょう!

米

米は日本人の主食であるとともに、大豆と同じようにさまざまな変身をして和食で大切な役割やくわりを果たしています。
普段ふだん、ご飯として食べている米は「うるち米」とばれます。もちや赤飯、おこわなどに使われるのは、いたときにねばり気が多い「もち米」です。きんを使って米を発酵はっこうさせると、日本酒やみりん、こめができます。せんべいやおかき、団子だんごなどの和菓子わがしも、米を原料とするものが多くあります。

牛乳ぎゅうにゅう生乳せいにゅう

牛乳(生乳)

給食でもおなじみの牛乳ぎゅうにゅうは、牛からしぼったそのままのちちである「生乳せいにゅう」に加熱・さっきんなどの処理しょりをしたものです。この「生乳せいにゅう」は、たくさんの乳製品にゅうせいひんに変身します。
乳酸にゅうさんきんなどを使って生乳せいにゅう発酵はっこうさせると、ヨーグルトやチーズができます。生乳せいにゅう濃縮のうしゅくしたのが練乳れんにゅうです。生乳せいにゅうから取り出した脂肪分しぼうぶんからは、生クリームやバターがつくられます。一方、脂肪分しぼうぶんを取りのぞいた脱脂乳だっしにゅうからは、スキムミルクなどがつくられます。

小麦・とうもろこし・いも・魚

小麦・とうもろこし・いも・魚

小麦の実からできる小麦粉こむぎこは、パンや麺類めんるいの原料です。ケーキやクッキーなどのお菓子かしづくりにも欠かせません。
とうもろこしはつぶのまま食べるイメージがあるかもしれませんが、コーンフレークやポップコーンにも変身します。
こんにゃくの元の姿すがたは、「こんにゃくいも」という種類のいもです。料理のとろみづけに使われる片栗かたくりは、お店で売られている多くがじゃがいもからできています。
魚は刺身さしみや焼き魚、煮魚にざかななどで食べられるだけでなく、かまぼこ、ちくわ、さつまげなどの練り物、そしてツナかん、かつおぶしなど、多くの加工食品に姿すがたを変えます。

たまごの力で変身する食べもの

たまごは多くの食べものの変身を助けるのに使われています。その秘密ひみつは、たまごが持つ3つの性質せいしつにあります。

オムライスなどのたまご料理りょうりはもちろん、ハンバーグのつなぎや天ぷらの衣にもたまごが使われますが、これはたまごの「ねつ凝固性ぎょうこせい(熱を加えると固まる性質せいしつ)」を利用したものです。メレンゲやスポンジケーキがふんわりするのは、卵白らんぱくの「泡性ほうせい泡立あわだちやすい性質せいしつ)」のおかげです。そして、マヨネーズはたまごの「乳化性にゅうかせいざりにくい水分と油分をぜ合わせる性質せいしつ)」をいかしてつくられています。

卵

姿すがたを変える食べものを
調べてみよう!

いろいろな食べものがさまざまな姿すがたに変身して、食生活をゆたかにしてくれていることがわかりましたね。

普段ふだん、食べている食品は、元はどんな姿すがたをしていたのか。加工食品にはどんな原材料が使われているのか。お家の人に聞いたり、加工食品のパッケージに書かれた食品しょくひん表示ひょうじの原材料名を見たりして、調べてみると面白いですよ。

食品しょくひん表示ひょうじについてくわしく知りたい場合は、こちらも読んでみましょう。

どんな食品も、元は自然のめぐみから生まれています。
また、毎日いろいろな種類のおいしい食事を楽しめるのは、食べものが食卓しょくたくに上るまでの工程こうていに関わっている、多くの人の手があるからこそです。

みなさんも食事をするとき、食べものにどのような手間や時間がかけられているのか、考えてみてくださいね。そして、食べものとそれを育む自然しぜん環境かんきょう、食べものをつくってくれた人たちに感謝かんしゃの気持ちをもって、おいしくいただきましょう!

出典:農林水産省Webサイト「大豆および大豆イソフラボンに関するQ&A」
出典:農林水産省Webサイト「大豆のまめ知識ちしき
出典:農林水産省「大豆をめぐる情勢じょうせいについて」「代替だいたいにく類型るいけい
出典:農林水産省「aff(あふ)2016年6月号」