買い物で何を見る?
食品表示を大研究
食品表示のどこをチェックする?
クイズに挑戦
- Point!
-
- どうして必要なの?食品表示の大切な役割
- 食品表示のチェックポイントは?
- 食品表示のクイズに挑戦!
みなさんはお店で食品を買うときに、食品の何を見て選んでいますか?見た目や量、カロリー、値段などでしょうか?たくさんの食品の中から、自分に合った適切な食品を選択するためには「食品表示」を知ることが大切です。
どうして必要なの?
食品表示の大切な役割
食品表示は「食品表示法」という法律により表示が義務づけられています。
なぜなら、私たち消費者がお店で食品を選ぶ基準になる、とても大切な情報だからです。
例えば、お店に買い物に行ったときに「この食品はどこでつくられていますか?」「原料は何ですか?」「いつまで食べられますか?」と生産者や販売者に一つひとつ確認することは難しいですよね。食品表示には、食品の名称や原産地、また、いつまでに食べればよいのかの期限などが書かれています。
私たち、一人ひとりが食品の品質を理解し、自分に合った食品を選ぶために、重要な情報である食品表示について知り、毎日の食生活に役立てていきましょう!
食品表示には何が書いてあるの?
生鮮食品と加工食品の違い
私たちがお店で買うことのできる食品は、大きく「生鮮食品」と「加工食品」に分けられ、それぞれ、表示のされ方が異なります。
生鮮食品とは
野菜や果物、肉、魚、卵など、加工されていない食品のことです。
生鮮食品の場合、必ず名称と原産地が表示されます。
種類によっては、他にも表示しなければならない項目もあります。
加工食品とは
生鮮食品の保存性を高めたり、消化しやすくしたり、調理の手間を省いたりするなど、さまざまな目的で手を加えた食品のことです。
例えば、生鮮食品の大豆は、みそやしょう油、納豆、とうふなど、いろいろな食品に加工されています。加工食品は見た目からでは材料や品質などを見分けにくいので、食品表示からさまざまな情報を読み取ることが大切です。
加工食品には、名称、原材料名(添加物、原料原産地名、アレルゲン)、内容量、賞味期限(消費期限)、保存方法、製造者などが表示されています。輸入品には原産国名や輸入者なども表示されています。食品によっては、他に表示しなければいけない項目があります。
食品表示のチェックポイントは?
では、実際に、食品表示のどこをチェックすればよいでしょうか?
加工食品を例に、もう少し詳しく見てみましょう!
チェックポイント 一括表示とは?
商品の名称や使用している原材料、内容量など、とくに大切な情報を枠内にまとめたものを「一括表示」といい、必ず表示しなくてはいけません。原材料は使用量の多い順に表示され、一番多い原材料の原産地または製造地を表示しなければいけません。
チェックポイント 賞味期限と消費期限の違いは?
お店で買える加工食品には「賞味期限」「消費期限」のどちらかが必ず表示されています。
品質の劣化がきわめて低いアイスクリーム類やチューインガムには表示を省略することもできます。
■賞味期限
品質が保たれ、おいしく食べられる期限(年月日)のことです。賞味期限を過ぎても、すぐに食べられなくなる訳ではありません。ペットボトル飲料やスナック菓子、ドレッシング、マヨネーズ、レトルトパウチ食品、缶詰など、比較的長く保存が可能な食品に記載されています。賞味期間3カ月を超えるものは年月表示のものもあります。
賞味期限を過ぎてしまった食品は、すぐ捨てるのではなく、大人と一緒に見た目やにおいなどを確認しながら、食べられるか判断しましょう。そうすることで、食品ロスを減らす第一歩につながります。
■消費期限
安全に食べられる期限(年月日)のことです。お弁当やサンドイッチなどのいたみやすい食品に記載されています。消費期限を過ぎた食品を食べるのは控えましょう。
賞味期限も消費期限も、正しい保存方法で保存した開封前の品質やおいしさを保証するものです。一度、開封してしまった食品は早めに食べきるようにしましょう。
チェックポイント 栄養成分表示とは?
エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量の順で記載されています。包装された加工食品には必ず表示しなくてはいけません。
栄養成分表示は「100g当たり」で書かれている場合もあります。内容量を確認して、自分の食べる量とあわせて考えましょう。なお、炭水化物は糖質と食物繊維に分けて書くこともできます。
チェックポイント アレルゲン表示とは?
原材料名の中にアレルゲンを表示する他、一括表示の外にプラスで表示されているものもあるので、参考にしてください。アレルゲンである「えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生(ピーナッツ)」の8品目を特定原材料といい、必ず表示しなくてはいけません。特定のアレルギー体質の人の健康危害発生を防止するため、表示が義務づけられています。
他に、表示することが推奨されているものとして「アーモンド・あわび・いか・いくら・オレンジ・カシューナッツ・キウイフルーツ・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・バナナ・豚肉・マカダミアナッツ・もも・やまいも・りんご・ゼラチン」の20品目があります。この20品目の表示は義務ではないので、使用していても書かれていない場合があります。
チェックポイント 食品添加物とは?
食品の加工や保存のために使用したり、色や香りをつけたりする役割があります。例えば、酸化防止効果のあるビタミンC、甘味をつけるステビア、色をつけるカロチノイド色素などです。「原材料名と食品添加物を分けて記載する場合」と、「原材料名欄に記載する場合」があります。ドレッシングの一括表示の例は、原材料名欄に記載している例で、スラッシュ「/」の後ろが食品添加物とアレルゲンになります。
その他のチェックポイント
■遺伝子組換え表示
ある生物から特有の性質を持つ遺伝子を取り出し、別の生物に組み込む技術を利用してつくられた食品のことです。農薬をまかなくても害虫の繁殖を抑えることができるなど、食料問題や環境問題にも大きなメリットがあります。
日本で安全性が確認され、流通することが認められた9種の農産物(じゃがいも、大豆、てんさい、とうもろこし、なたね、わた、アルファルファ、パパイヤ、からしな)、および、これを原材料とする加工食品は表示が義務づけられています(大豆油やしょうゆなど表示不要のものがあります)。
食品表示の見方を知っていれば、お店で食品を買うときに「いつまで食べられる?」「アレルゲンはある?」など、私たち自身が判断してお店で食品を選ぶことができます。お買い物のときは食品表示をチェックしてみてくださいね!
食品表示のクイズに挑戦!
毎日の食生活の中で、食品表示をどうやって読み解いたらよいでしょうか? 食品表示のクイズに挑戦して理解を深めましょう!
-
Q1今日は2022年2月1日です。
お昼に卵を食べる予定ですが、冷蔵庫には「賞味期限:2022年1月30日」と記載された卵があります。この卵はどのように扱えばよいでしょうか?- ①生でも食べられる
- ②よく火を通せば食べられる
- ③賞味期限を過ぎているので食べないほうがよい
A1 ②よく火を通せば食べられる
賞味期限とは、品質やおいしさが保証される期限です。卵の賞味期限は、生食できる期間となっています。ただし、生で食べられるのは10℃以下で保存した賞味期限内のものです。賞味期限を過ぎた卵の場合は70℃で1分以上加熱して食べましょう。また、賞味期限を過ぎた食品は早めに食べるようにしましょう。
※この事例は、卵の場合だけです。全ての食品において、火を通せば食べられる訳ではありません。 -
Q2これからほうれん草を買いに行きます。
ほうれん草を選ぶときに、色やツヤ、みずみずしさなどの新鮮さの他に、必ず確認できるものはどれでしょう?- ①原産地
- ②生産者の名前
- ③収穫した年月日
A2 ①原産地
生鮮食品には「名称」と「原産地」が必ず表示されています。生産者の名前や収穫した年月日に表示義務はありません。ただし、食品によっては、さらに追加しなければならない項目もあります。 -
Q3ヨーグルト、バター、チーズに共通する原材料のうち、
一番適切なものはどれでしょう?- ①生乳や乳製品
- ②米や米粉
- ③大豆やきな粉
A3 ①生乳や乳製品
ヨーグルト、バター、チーズは、牛から搾られたままの乳である「生乳」を発酵、かくはん、凝固するなどの方法で加工した食品です。場合によっては、乳製品からつくることもあります。
私たちの食生活では、多くの加工食品が存在しています。他にもどんな原材料から何がつくられているか食品表示を見て調べてみましょう! -
Q4パン屋さんにパンを買いにきました。
カシューナッツに食物アレルギーを持つ家族がいますが、家族の分のパンを選ぶ時に、どこに気をつけたらよいでしょうか?- ①パンをよく見て確認する
- ②表示にカシューナッツが書いていなければ大丈夫
- ③お店の人に確認する
A4 ③お店の人に確認する
一つのお店でつくって販売するパン屋さんやレストランなどは、アレルゲン表示の義務がありません。おそうざい屋さんで、量り売りされているそうざいなども同じです。自分自身や家族にアレルギーがあり心配な場合は、必ず、お店の人に食物アレルギーを持っていること伝えて、確認するようにしましょう。 -
Q5加工食品の一括表示に表示されている保存方法は、次のうち、いつの保存方法のことでしょうか?
- ①開封前の保存方法
- ②開封後の保存方法
- ③開封前、開封後両方の保存方法
A5 ①開封前の保存方法
一括表示に表示されているのは、開封前の保存方法です。保存に特別配慮しなくてよい商品は、保存方法が省略されている場合もあります。商品によっては、一括表示の外に開封後の保存方法が書かれているものもあるので、開封後はそれに従って保存しましょう。書いていない場合は、大人に相談してみましょう。
食品表示を見て、
自分で食品を選べるように
なろう!
クイズでわかった食品表示の知識もあわせて「食品を選び、買うときにどこを見て、何を優先するのか」をぜひ考えてみてくださいね。
お家にある、お菓子や調味料などを手にとって、実際の食品表示のラベルも見てみるのもよいでしょう。食品表示を正しく理解して、毎日の食生活にいかしていきましょう!
- 出典:
- 消費者庁「知っておきたい食品の表示」