三國シェフとの「家族でわくわくクッキング」開催12年目で幕
2022.11.07
マヨテラス
社会 その他
こんにちは。 キユーピー株式会社 広報・グループコミュニケーション室の前田祐基です。
キユーピーでは、フレンチのシェフ三國清三氏と父子料理教室「キユーピーキッズ、家族でわくわくクッキング」を足掛け12年、35回開催してきました。
残念ながら、今年度で終了いたしましたので、これまでを振り返りながらご紹介したいと思います。
<第35回(最終回)わくわくクッキングは、10月に山形県で開催しました>
味覚の授業
クッキングデモンストレーション
マヨネーズ被り儀式
「いただきます」
お子さんの感想
左が三國さん、右が私(前田)
2009年、食育という言葉が世の中で盛んに言われる様になりだした頃、当社らしい食育企画を作るようにとの指示がありました。当時の社長(鈴木豊さん)が、同郷の北海道出身で、小学校で料理教室を開催していた三國清三シェフと、家庭を巻き込んだ新しい食育料理教室を実施したいとの話が発端になっています。
その背景には、せっかく学校で食に関心を持ち出したお子さんの気持ちに、生活に追われる家庭で親御さんが対応しきれないことに三國シェフが課題感を持たれていたことがあります。2009年は今のような世情ではなく、まだまだお父さんは夜遅くまで仕事をするのが当たり前という時代。そのため、家族で個々バラバラに食事をしたり、親とは別に子どもは好きなものばかり食べるという食の課題が言われていた時代でした。
そこで、お父さんが子どもと料理をして家族にサーブするという、多くの家庭の日常とは異なる体験を提案することで、素朴な家庭での食育の在り方を意識・体感してもらう料理教室を2010年に創出し、多くの方々の協力で食育料理教室をスタートさせました。
プログラムは手作りマヨネーズ、それを使ったサラダ、手作りハンバーグ、きのこマヨ炒めを制限時間60分で作る内容です。夏場のハプニングとしては三國シェフがホッパーで汗だくになって20分混ぜてもマヨネーズにならない出来事があり、「プロでもこういう時のためにキユーピーマヨネーズがあるので」と笑いを取ったこともありました。
マヨネーズが完成した後、マヨネーズの入ったボールを頭から被る仕草をする儀式があり、ちゃんと作れているとマヨネーズが落ちてこないが、失敗(ドレッシング状態)だとドロリと頭に落ちてくるというドキドキ編です。お父さんが子どもに「お前が被れ」と言って逃げて「お父さん! 」とお母さんに怒られるシーンもありました。
とにかく台本の無いぶっつけ本番で司会の私と三國シェフとの掛け合いで進めるハイリスク ハイリターンな料理教室です。正直なところ失敗したら後が無いので、私にとっては「わくわく」クッキングというより「ドキドキ」クッキングでした。
8家族、人数にして40数名規模になる家族を巻き込んだ料理教室なのですが、始めた当時は、普段キッチンでの会話がないことが明らかな父親と子どものぎこちなさや、朝から夫婦喧嘩しながら、お母さんが運転するワゴン車でムスッとしたお父さんが連れて来られる姿もありました。料理教室の最後にご家族から感想を聞くのですが、娘さんが「お父さんと料理できて嬉しかった」と言うと、それを聞いたお父さんが「家内が言っていた意味が分かった」と発言。それを聞いたお母さんが会場で泣き出し、私ももらい泣きしながら司会進行をした経験もあります。それ程に日常生活とのギャップが大きい時代でした。
しかし近年になると、参加家族のお父さんの多くが「料理をしている」と言い、確かに手つきも良く、お子さんとの息も合っており、逆にお母さんが仕事でキャンセルされたり「自分はあまり料理しない」と発言されるなど、環境激変を肌で感じる様になりました。その様な経緯を辿り、わくわくクッキングの提案は一つの役割を終えることとなりました。