4回目の出前授業 「広げよう やさしい町」 ~ユニバーサルデザインを学ぼう~
2023.08.01
社会 その他
こんにちは。 株式会社キユーピーあい リラクゼーションチーム塩田大樹です。
私は視覚障がい者で目が見えません。全盲です。
キユーピーあいは、2003年12月にキユーピー株式会社の特例子会社※ として認定され、色々な能力を持った障がい者と健常者が共に働く喜びと自己成長を実感できる会社としてスタートしました。
※特例子会社とは・・・障がいのある方の雇用の促進、そして安定を図るために設立された会社のこと
来賓用の靴箱
7月12日、世田谷区立桜小学校4年生対象の総合授業「広げよう やさしい町」をテーマに、講師として招待されました。
2020年に初めて訪問して以降、今回で4回目の授業です。(前回のブログ)
まずは仕事について話しました。資格をとり、マッサージや針を使ったサービスを提供する仕事をしています。次に日常生活の話をしました。一人暮らしをしていますので、洗剤自動投入機能付きの洗濯機で洗濯をしたり、掃除ロボットを使ったりしています。音をヒントにお湯を沸かし、料理もします。お店の方にお手伝いをしていただきながら、スーパーへ買い物にもいきます。
授業中の様子
どのように毎日を過ごしているか、生活の工夫も交えながら、周りの方にしてもらえると嬉しい配慮や身の回りのユニバーサルデザイン(町の中で助かっているもの)についても話しました。具体的には、点字ブロックの種類や食品容器、駅の手すりなどについている点字表記のことです。
その他にも趣味で弾くギターのことや、健常者と障がい者が同じルールで遊べる囲碁のことを話しました。皆さんは最後まで興味・関心をもって聞いてくれました。質問もたくさんいただき、まだまだ質問したい人が手を挙げていたようですが、時間切れとなってしまったほどです。
皆さんからの質問をいくつか紹介します。
Q:洋服はどのように選ぶのですか?
A:視覚障がいがあるからとはいえ、上下ちぐはぐな服を選びたくはないですよね。スマートフォンをかざすと服の色を音声で知らせてくれるアプリがあります。また、ビデオ通話で知り合いに選んでもらうこともあります。
Q:車の運転はできますか?
A:現在の法律ですと、視覚障がい者は車の運転はできません。これから、様々なデジタル機器が進化したら「自動運転」などで風を切って運転してみたいと思います。
Q:どのように自動販売機で飲み物を買うのですか?
A:スマートフォンをかざして音声で聴くこともあるのですが、全ての自動販売機でできるわけではありません。どうしても喉が渇いた時には、ランダムに押してしまいます。冷たい飲み物を選びたいのにホットが出てきてしまったこともありました。
Q:友達はいますか?
A:もちろん、いますよ。同じ視覚障がいを持つ友達もいますし、皆さんのように見えている友達もいます。同じ趣味でつながっている方が多いです。
左:触る時計の紹介 /中:白杖の紹介 /右:授業後も興味津々の子どもたち
皆さんはユニバーサルデザインの勉強をしているということで、興味・関心を持ってもらえるように話をしました。手で触る時計や白杖を見せると、「わあー」 「知ってる!」 と小学生の素直な驚きの声を聞くことができました。私にとっての 「普通」 を皆さんに伝えることができて良かったです。
継続して桜小学校の皆さんと一緒に 「やさしい町づくり」 について勉強できていることをとても嬉しく思います。今回も充実した一日となりました。