資源の有効活用、もったいないを価値あるものへ。~製造ロスのマヨネーズをバイオガス発電へ活用~
2024.02.19
資源の有効活用
社会 その他
こんにちは。 キユーピー株式会社 生産本部の松原由紀です。
製造ロスのマヨネーズをバイオガス発電へ活用する取り組みで、第11回「食品産業もったいない大賞」を受賞しました。
先日、表彰式に参加してきました。賞状を受け取った瞬間、一緒に頑張ってきた社内外の仲間への感謝の気持ちがこみ上げるとともに、約20年間、廃棄物の付加価値化を目標に、あきらめずに地道に取り組んできたことが総まとめのようによみがえり、喜びの震えが止まりませんでした。
左から、キユーピー續木さん、松原、森さん
「食品産業もったいない大賞」受賞者の集合写真
洗浄作業において、配管内に残ったマヨネーズを取り除く様子
改めて、今回の取り組みをご紹介します。
キユーピーの工場では毎日、多くのマヨネーズ類を製造しています。製造品目を切り替えるたびに配管内を洗浄し、定期的な配管洗浄も行っています。その際、配管内に残ったマヨネーズをきれいに取り除く必要があり、取り除いた分は食品ロスとなっていました。
生産現場では「夢多”採り活動(むだとりかつどう)」という改善活動を行っていて、作業改善やロスを減らす努力を積み重ねています。ですが、洗浄の際に発生するロスは、安全・安心な商品を届けるために、ゼロにすることはできません。
またマヨネーズは、油分、塩分、酸性濃度が高いために堆肥化が難しく、焼却処分になっていました。私自身、マヨネーズを製造していたこともあり、大切に作ったマヨネーズが焼却されることが心苦しいという気持ちがどんどん強くなりました。
今回、仲間とともに「心を込めて製造したマヨネーズを全て価値あるものにしたい」という想いで再資源化を探求し続け、バイオガス発電※ という地球環境によりやさしい仕組みを実現できたことを本当にうれしく思います。
バイオガス発電施設
※バイオガス発電は、家畜の排泄物等を発酵させて生成された可燃性のバイオガスを利用して発電する仕組み。食品残さから電気を生み出し、CO2排出量の削減にもつながる。
この取り組みの推進に関わった社内の仲間たち
食品メーカーである以上、食品ロスの問題には真摯に向き合わなくてはなりません。そのために、まずは、ロスになる食品の量を減らす努力を継続していくとともに、今回のような食品残さを活用する取り組みを考えていくことも重要です。
廃棄物(副産物)の担当者として、食品残さの活用は無限で、たくさんの可能性を秘めているとつくづく思います。それは、自然の作用も無限大だからです。その探究心とあきらめない心を常に持ち続けていくことが大切と考えます。
これからも未来につながる資源の活用や循環を考え、環境へのマイナス要素をプラスに変えていくことや、副産物の価値を知恵と技術で未来につなぐ持続可能な価値ある資源に転換していくことをモットーに、人とのつながりを大切にして取り組んでいきます。