11月5日はいいたまごの日! ~笑顔と感動の卵加工品~ 第1回

2024.10.28

食育 その他

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こんにちは。 キユーピー株式会社 研究開発本部 タマゴ開発部の渡邊正記です。

卵加工品に携わって43年、卵のすごさ・面白さに魅了され、試作などで割った卵は40万個くらいになるでしょうか。卵料理が大好きで、仕事でも食卓でもほぼ毎日楽しんでいます。今回は「いいたまごの日」に向けて、私が長年開発に携わっている卵加工品とその開発について3回に分けて皆さんにご紹介します。

開発に関わった数多くの卵加工品

卵は変身上手!

卵は他の食材にはない特別な機能を持っています。

●加熱すると・・・液体から固体へと状態が変化します。
液状の生卵から“とろとろ”の半熟状のスクランブルエッグ、そして重ねたり、寄せたり、巻き上げたりと、好みに合わせてさまざまな卵料理へと変化させることができます。

●水分をたくさん加えても・・・しっかりと固まります。
卵は水分を多く含んでもしっかりと固まる特徴があります。卵の割合が70%程度の厚焼たまごから卵の割合が25%程度の茶碗蒸しまで、幅広い卵料理が可能です。

●調味料や調理法によって・・・様々な味や食感へと変化します。
例えば、白身の物性は、「ぷるぷる」「つるつる」「ふわふわ」、黄身の物性は「とろーり」「ねっとり」「ほくほく」といった具合にさまざまな食感へと変化します。

これらの卵のユニークな特徴を活かした卵加工品は、さまざまな食シーンでお客様に笑顔と感動をお届けします。

日本は卵の消費大国!

2023年の調査によると日本では1人当たり年間320個もの卵を食べています。なぜこれほどにまで日本で多くの調理法で卵が楽しまれるようになったのでしょうか、私なりに3つの理由を考えてみました。

●創意工夫(地理的背景)
日本は欧米のように肉食文化が発展していなかったため、海と山に囲まれた地理的背景もあり農耕を中心とした文化が根付いています。そのような背景の中で、狭い土地でも養鶏が可能なことから、少しずつ卵が食卓にあがるようになりました。本格的に養鶏業が発展し始めたのは昭和初期のことです。生産性と品質がめざましく向上し、鶏卵は物価の「優等生」として定着しました。どんな料理にも相性が良く、おいしい上に栄養バランスも良い卵は、長い間日本の貴重なたんぱく源として愛され続けています。

●彩を楽しむ(歴史的背景)
日本では、食事をただの栄養補給とするだけでなく、気持ちの豊かさも大切にする文化があります。特に「目で見て楽しむ」という食の楽しみ方が歴史的に根付いており、和菓子や懐石料理がその代表的な例です。卵は、美味しいと感じる色や美しく見える色として、食の三原色(赤・緑・黄)の一角を担っています。特に黄色は膨張色であり、料理に明るさやボリューム感を与える役割を果たします。和食は醤油を使うことが多く茶色い色調になりがちですが、そこに卵の黄色が加わることで、料理がより一層引き立ちます。

●手軽に調理(文化的背景)
日本は資源が限られているため、人々は工夫して協力し合い生きることを学びました。また、感謝の気持ちと勤勉さを大切にし、真面目に務めを果たすという文化が根付いています。そうした背景もあり、現代の日本では忙しい生活の中で、朝食や昼食を簡単にすませがちです。お弁当・サンドイッチ・ファーストフードなどが短時間で食べられるもの好まれている中で、卵は手軽に短時間で調理できる食材として、忙しい日本の日常に大いに役立っています。

今回は、変身上手な卵と、日本で卵が好まれている理由をお話ししました。

次回はいよいよ卵加工品の開発エピソードをお届けしたいと思いますので、どうぞお楽しみに。

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