キユーピーグループとニチレイフーズの挑戦。食品ロスをチャンスに！規格外品で楽しむサステナブルな食の未来

2024.10.31

環境その他

グループ

こんにちは。　キユーピータマゴ株式会社　経営企画室サステナビリティ推進課の加藤健仁郎です。

今回は、10月18日（金）に行われた株式会社ニチレイフーズ様との共同企画「おいしく楽しく！食品ロスをチャンスに」という食品ロス削減イベントについてご紹介します。

左から、キユーピータマゴ加藤、浅見さん、ニチレイフーズ佐藤さん

まず、このイベントがどのように実現したのか、その経緯をお話します。

私が入社後、最初に配属されたのは、オムレツの製造工場でした。毎日、形状不良で廃棄されてしまうオムレツを見て、「もったいない。どうにかして食べられないか、商品化できないだろうか？」と思い、工場長に相談しましたが、社内の規格やルール、商習慣の壁があり、当時は難しいという結論になりました。

その後、研究開発に在籍していた頃、キユーピータマゴ社内でサステナビリティの組織を立ち上げることが決まりました。私はその社内公募に応募し、2022年7月から現在の職務に就いています。入社時に感じた課題を解決し、何とか変えていけるような活動をしたいという思いで日々努力を重ねてきました。

着任してすぐ、ニチレイフーズ様から「サステナビリティの勉強会を開いてほしい」というお話をいただきました。右も左も分からず不安な気持ちもありましたが、思い切って講師を務め、その勉強会で提案した内容が、今回のイベントに繋がったのです。

提案から2年かけて形にできたことに、感慨深いものがあります。実現できた最大の理由は、「諦めずに挑み続けたこと」だと思います。そして、この道のりで、工場や社内の多くのメンバーが理解し、協力してくれたことに心から感謝しています。たくさんの叱咤激励（もちろん批判も！笑）を受けながら進めてきたからこそ、今回の実現には大きな意味と価値があると感じています。

さて、なぜ2年もの歳月がかかったのかというと、2023年は鳥インフルエンザの影響で卵の流通量が大幅に減少し、私たちの工場でも製造が思うようにできず、とても提案できる状況ではありませんでした。また、私たちにとっても初めての取り組みだったため、まずは社内の単発イベント「サステナビリティ御膳」を通じて、従業員食堂の協力を得ながら、さまざまな課題を洗い出しました。

その後、サステナビリティ御膳の取り組みを進めつつ、今年の3月に再度ニチレイフーズ様に提案を持って伺いました。そして、ようやくチャンスをいただけたのが、今回のイベントのキーパーソンである「ハミダス推進部」の皆さんです。3月の提案時に「できる範囲でやってみましょう！」というお言葉をいただき、そこから約半年間、両社でサンプル試食会や見学会を重ねて準備を進めてきました。

そして、迎えた10月18日。昼はニチレイフーズ様本社の食堂で、夜は仙川キユーポートでイベントを開催しました。

ニチレイフーズ様本社の食堂で開催された昼のイベント

夜の部には、この企画に賛同してくれた両社の約130名の従業員が集まり、初めてのイベントとしては非常に多くの方々に参加していただきました。乾杯はお酒ではなく、規格外品の「パクっとゆでたまご」と「パクっとたまご焼き」を使い、イベントのテーマに合わせて「おいしく楽しく！」進行しました。

イベントで使用した食材の多くは、両社グループから出た製造端数品や流通中に外箱が破損した商品、また、キユーピータマゴで製造時にどうしても出てしまうオムレツや茹卵の規格外品を活用しました。長年キユーピーグループの従業員食堂を運営してくださっている富士栄食株式会社様にご協力いただき、12種類ものアレンジメニューを準備しました。

また、今回新たに「ドリンクドライブ」を実施しました。これは、フードドライブを参考にオリジナルで考えた取り組みで、従業員の家庭や職場で余っている飲み物を集め、イベント当日に提供するというものです。家庭や職場で使い切れなかったもの、賞味期限が近いもの、そしてフードロス削減をテーマにした商品を提供し、参加者の皆さんに楽しんでいただきました。

左：規格外品を使った12種類のアレンジメニュー／右：仙川キユーポートでの夜のイベントでは、お酒の代わりに「パクっとゆでたまご」と「パクっとたまご焼き」で乾杯！

この取り組みで大切にしたのは、次の2点です。
・限りある資源だからこそ、大切に使わなければならないということ
・単発のイベントで終わらせず、今後も継続し、さらに充実させていくこと
来年以降もこの取り組みをパワーアップさせ、将来的には現在の規格外品が商流に乗り、皆さんの手元に届くことをめざしています。

サステナビリティについては、業界全体で手を携えて進めていくことが大切だと考えています。競合関係を超え、皆で力を合わせ、地球のために「おいしく楽しく！」良いことを作り上げていきたいと思っています。