海外展開
世界でサラダとタマゴの魅力を提案
1982年の米国進出からスタートした海外展開は、その後、「マヨネーズで日本人の体位向上に貢献したい」という創始者の想いを大切に、1987年にタイ、1993年に中国へ進出しました。各エリアのニーズを捉えた商品開発やメニュー提案により、マヨネーズやドレッシングの市場拡大を進め、世界の食卓においしい笑顔を届け続けてきました。
中国や東南アジアで食の洋風化が進む中、レストランやファストフード、ベーカリーなどの業務用市場でのメニュー提案はもとより、店頭でのプロモーション活動に注力して、家庭でのサラダ需要を拡大することを通して、ブランドの認知啓発を図ってきました。その結果、中国や東南アジアのマヨネーズ・ドレッシング市場で認知されるブランドにはなったものの、まだまだ各国での1人当たりの使用量は日本の数十分の一でさらなる市場拡大が期待できます。
また、日本で培った卵の加工技術により、卵のおいしさと楽しさを提案していきます。アジアではサラダを通して野菜と卵の摂取量を増やし、豊かで健康的な食生活の実現に貢献していきます。
米国や欧州では2015年頃から世界戦略商品である、キユーピー マヨネーズと深煎りごまドレッシングの販売に注力し、KEWPIEブランドの浸透を図っています。
サラダとタマゴのリーディングカンパニーをめざし、これからもマヨネーズ・ドレッシングを中心にサラダとタマゴの魅力を世界へ広げる活動を続けていきます。
需要増に対応する投資拡大
海外での需要増に対応する供給体制を強化し成長を加速させるために、積極的に投資を行っています。設備投資の増強に加え、ブランド拡大とガバナンス強化をすることで、2030年度までに事業利益200億円をめざします。
中国
従来の店舗での販促活動とデジタルマーケティングの活用を融合することにより、ブランド認知率と使用率の向上に取り組み、当社の顧客層である富裕層から中間層へ開拓を進めます。
2021年1月に中国国内で4つ目の生産拠点となる広州工場が稼働しました。広州工場のある華南エリアは、約1.5億人の人口を有し、インドネシアやメキシコ以上のGDPを持つエリアで、北京を中心とした華北エリア、上海を中心とした華東エリアと並ぶ、中国の重要な経済圏です。本格的に華南エリアを深耕していくことで、ブランド展開を進め、ファン層の拡大をめざしていきます。
また、生産・販売が一体となって展開し、家庭用だけでなく業務用においても華南エリアの需要を開拓していきます。
広州工場で最新鋭の自動化ラインを導入したことにより生産性が2倍となり、物流費の削減や中国全土の安定供給に寄与することから、コスト競争力を強化していきます。
海外全体では持続的な2桁成長をめざしますが、華南エリアは重点地域と位置づけ、年率で25%の成長を目標に取り組んでいきます。
東南アジア
東南アジアでは、深煎りごまドレッシングの用途拡大をめざします。タイ、マレーシア、ベトナムのドレッシング市場で売上No.1となった深煎りごまドレッシングを中心に、業務用市場でのサラダ需要の創出、量販店でのプロモーション活動を強化していきます。深煎りごまドレッシングはスパイシータイプや柚子風味などシリーズも拡充し、それぞれの国の食材や調味料との組合わせ、食文化に合せた提案を強化していきます。
また、東南アジアでは、タイ、マレーシア、ベトナム、インドネシア、フィリピン、シンガポールの各社で協業を進め、成長を加速させることで、安定的な収益を創出する仕組みを構築していきます。また、カンボジア、ミャンマーなどの周辺国への輸出拡大により新たな市場を開拓します。
北米
米国の一人当たりのマヨネーズ・ドレッシングの消費量は日本の約1.5倍と世界最大の市場です※。
世界戦略商品であるマヨネーズと深煎りごまドレッシングの販売に注力し、北米でのKEWPIEブランドの浸透を図っています。
2010年に米国の大手通販サイトで、日本製のマヨネーズが人気ランキングNo.1となり、以後も継続して高い評価をいただいています。
最近では北米の拠点であるQ&B FOODS, INC.が生産する深煎りごまドレッシングもECサイトを中心に高く評価され、米国系スーパーマーケットなどへの出荷が増えています。また、東海岸では多国籍レストランなどでニーズが高まっています。
また近年、新たな価値を求めるレストランシェフや消費者の間で、キユーピー商品の味や品質への支持が高まっています。
高まる需要と成長性を視野に入れ、米国における2カ所目の生産拠点となるテネシー工場を新設します。
既存のカリフォルニア工場と合わせて、2拠点体制を構築することで生産能力を増強し、世界最大のサラダ調味料市場である北米での事業展開を加速します。
※当社調べ