サステナビリティ・食育
16/12/02
No.57
再生可能エネルギーの導入を進めています
太陽光発電設備、新たに2カ所稼働予定キユーピーグループ生産部門電力使用量の約2%へ
五霞(ごか)工場2016年12月5日、グリーンファクトリーセンター2017年3月発電開始
五霞工場に新設した太陽光発電設備
キユーピーは、新たに「五霞工場」(茨城県猿島郡五霞町)と「グリーンファクトリーセンター」(福島県白河市)に太陽光発電設備を導入します。
これにより、既存の8設備を含めた10設備の発電量合計が約4,500MWh/年に上る見込みです。これは、キユーピーグループ生産部門の電力使用量の約2%に相当します。一般家庭の年間電力消費量に換算すると、約1,022世帯分になります。
2011年の東日本大震災発生により原子力発電所が停止したことを受けて、日本のエネルギー政策は転換期を迎えました。2012年7月には「固定価格買取制度※」が始まり、再生可能エネルギー供給のための設備投資が加速しています。キユーピーグループでも、再生可能エネルギー普及に向けた取り組みを始め、2013年3月の「キユーソー流通システム(KRS)」松戸営業所・伊丹第三営業所を皮切りに、現在8設備で約2,500MWh/年を発電中です。これは、キユーピーグループ生産部門電力使用量の約1.1%にあたります。この度、「五霞工場」と「グリーンファクトリーセンター」の設備が加わることにより、約2%へと拡大することになります。
倉庫棟の屋上を利用した「五霞工場」の太陽光発電設備は、2016年12月5日(月)に発電を開始し、発電出力約300kW、年間発電量は約330MWh/年を見込んでいます。植物工場の敷地の一部を利用した「グリーンファクトリーセンター」の太陽光発電設備は今回が増設分(二期工事分)にあたり、一期工事分の約3倍の規模になります。発電出力約1,500kW、年間発電量約1,650MWh/年を見込み、稼働は2017年3月を予定しています。
キユーピーは再生可能エネルギーの導入を進めるだけでなく、グループを挙げて、製造から販売に関わるすべての工程において省エネルギー化を推進し、環境に配慮したものづくりを通じて、社会に貢献していきます。
※固定価格買取制度:再生可能エネルギー源(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)を用いて発電された電気を、国が定める固定価格で一定の期間電気事業者に調達を義務づけるもの。(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則に基づく)
太陽光発電設備の概要は以下の通りです。
1.発電所名・所在地・発電出力など
発電所名 | 五霞工場ハーフ倉庫棟 太陽光発電設備 |
グリーンファクトリーセンター 太陽光発電所(増設分) |
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発電所所在地 | 茨城県猿島郡五霞町 | 福島県白河市表郷小松字西町 |
EPC事業者 | 三菱化学エンジニアリング株式会社 | juwi(ユーイ)自然電力株式会社 |
発電所面積 | 約2,800㎡ | 約18,600㎡ 〈既設設備との合計:約23,700㎡〉 |
発電出力 | 約300kW | 約1,500kW 〈既設設備との合計:約2,000kW〉 |
想定年間発電量 | 約330MWh/年 | 約1,650MWh/年 〈既設設備との合計:約2,200MWh/年〉 |
運転開始日 | 2016年12月5日 | 2017年3月予定 |
2.キユーピーグループ太陽光発電導入状況
キユーピーグループ生産部門電力使用量における 再生可能エネルギーの割合が約1.1%→約2%へ拡大 |
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国内における再生可能エネルギーをとりまく状況
戦後、高度経済成長を遂げた日本が直面した、第一次石油ショック(1973年)以降、様々な分野で省エネルギーへの取り組みがなされ、エネルギー消費の抑制を図ってきました。第一次石油ショックの1973年に対し、2012年の最終エネルギー消費は1.3倍の増加に留まっています。官民の努力のもと、エネルギー効率は4割改善し、世界をリードしています。
このように省エネルギー社会の実現を推し進めてきた日本は、その一方で、エネルギー自給率が6%に留まる(出典:「エネルギー白書2014」)など、ほとんどのエネルギー源を海外からの輸入に頼っているのが現状です。石油・天然ガス等のエネルギー源供給国の情勢などによっては、国内のエネルギー確保が難しいという脆弱性をはらんでいます。それでも、2010年のエネルギー自給率は19.9%まで改善されていました。これは原子力発電所の稼働によるものです。しかしながら、2011年に発生した東日本大震災以降、国内すべての原子力発電所が停止し、日本のエネルギー政策は新たな舵を切ることになりました。
再生可能エネルギーの推進はおもにこの政策転換によるもので、2013年から3年程度、導入を最大限加速し、その後も積極的に推進していくとされています。再生可能エネルギーは安定供給面とコスト面で課題があるものの、温室効果ガスを排出せず、国内での生産が可能なことから、エネルギー安全保障にも寄与できる有望かつ多様で重要な低炭素の国産エネルギー源です。
2012年7月に始まった「固定価格買取制度」により、再生可能エネルギーの発電電力量は、制度開始前の1.4%(2011年)から3.2%に増加しています(2014年)。今後も、この制度の適正な運用を基礎としながら、低コスト化・高効率化のための技術開発、大型蓄電池の開発・実証、送配電網の整備などの取り組みを積極的に進めていくことが求められています。
経済産業省資源エネルギー庁:「エネルギー基本計画」(2014年4月閣議決定)を参照