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17/10/04

No.63

2017年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を「キユーピー マヨネーズ」「ディスペンパック」がW受賞

 キユーピーは、2017年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞しました。受賞対象は、赤い網目と赤いキャップの「キユーピー マヨネーズ」です。また、グループ会社の株式会社ディスペンパックジャパン(以下DPJ)が製造する片手で簡単に使える容器「ディスペンパック」も同賞を受賞しました。

進化を重ねてきた「キユーピー マヨネーズ」

             

 キユーピーが日本で初めてマヨネーズを製造・販売した1925年当初、マヨネーズの容器はガラス瓶でした。その後、利便性向上を目的に1958年からポリボトル容器を採用しています。現在でも親しまれている赤い網目の外袋と赤いキャップの組み合わせは、この時に誕生しました。容器変更により使い勝手が向上し、マヨネーズの市場は飛躍的に拡大します。
 当時のポリボトルはガラス瓶に比べると保存性が低いものでした。しかし、キユーピーは将来的にガラス瓶と同等の保存性を実現することを見据えて、ポリボトル容器の採用を決定します。以来、容器包材の技術開発や、酸素の侵入を遮断する口部アルミシールの採用、窒素置換の導入などの改良を重ねてきました。2002年には原料中の酸素を取り除く「おいしさロングラン製法」を採用し、賞味期間を7ヵ月から10ヵ月に延長、そして2016年には製造工程の見直しにより、賞味期間を10ヵ月から12ヵ月に延長しています(一部容量)。

「ディスペンパック」は、ワンタッチで中身が出せる“あの”容器

             

ディスペンパック「トマト&あらびきマスタード」。
2種類の液を同時に出せる。

 もう一つの受賞商品である「ディスペンパック」は、上ぶたに極薄の切れ目と突起(ディンプル)をつくり、これを軸に容器を二つに折ることで中身が搾り出せる容器です。片手で容易に開封でき、従来の袋やカップに比べ、手を汚すことなく中身を完全に押し出すことができます。
 1983年にアメリカで発明され、1987年にはDPJが世界に先駆けて技術開発および商品化に成功しました。もともとは1種類の液のみを出す仕様でしたが、DPJの発案により2種類の液を同時にワンタッチで出せるツインタイプ容器の生産を開始しました(1989年)。その後もさまざまな食シーンに合わせ、出し口を工夫するなどラインアップを拡充しています。現在では中食や外食産業をはじめ、家庭や学校給食などで幅広く使用されています。

 グッドデザイン・ロングライフデザイン賞は、長年にわたり作り手と使い手、社会との対話の中で醸成され、暮らしや社会の礎となり、未来においてもその役割を担い続けてほしいデザインを選び、顕彰する賞です。今回、キユーピーのシンボルといえるロングセラー商品と、革新性を兼ね備えた商品の2点がW受賞したことは、進化と挑戦の歴史が評価されたとも捉えられ、今後の商品開発の後押しとなります。

 キユーピーは、暮らしの中でスタンダードに使ってもらえる商品の提供とともに、よりユニークで革新的な商品開発への挑戦を続けることで、食生活を豊かにする提案を今後も行っていきます。

【公益財団法人日本デザイン振興会の評価コメント】

キユーピー マヨネーズ:「マヨネーズとしては1925年に発売されているが、このデザインになったのは1958年という。赤い網目とキユーピーマーク、ポリ容器と赤いキャップが卵黄タイプのコクと安全な印象を親しみ深く伝えている。今では家庭用マヨネーズの市場は500億円だそうで、まさに市場を創ってきたデザインである。中のポリ容器にエンボス以外の印刷をしていないのも秀逸である」
ディスペンパック:「片手で手を汚すことなく、パッケージを破り、中のものを適量、必要な場所に取り出すといういくつもの動作を文字通りワンタッチでエレガントに行なえる優れもの。しかも複雑な構造ではなく、単に入れ物に蓋がかぶさっただけのシンプルな仕様、そして2種類の味にも同時に対応する機能と構造は日本ならではの匠の発想」

【参考:グッドデザイン・ロングライフデザイン賞の詳細】

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