2005/09/13 No.46 |
★研究結果 |
キユーピー(株)研究所が学会発表 |
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キユーピーは、産まれたての卵よりも10℃で10日間保存した卵のほうがおいしく、卵殻が剥きやすい茹卵ができることを、9月13日、14日に行われる日本調理科学会で報告します。 産まれたての卵で作った茹卵の場合、卵白はもろくて特有の弾力性がなく、食感も良くありませんでした。また、卵白が卵殻に付着してきれいに剥くことができませんでした。 卵は、他の生鮮品と同様に新しいほどおいしいと思われがちです。しかし、茹卵の場合には、適度に保存した卵のほうが適しているといえます。
【研究の概要】 1.実験方法 採卵翌日の卵(4℃、1日保管)、10℃で3日間、6日間、10日間保管した卵で茹卵を作り、おいしさ、卵殻の剥きやすさを調べた。 2.実験結果 (1)保存期間と鶏卵のハウユニット(※) ハウユニットを調べたところ、採卵当日の卵は93.2だった。 10℃で10日間保管後も79.3でAA級を保っており、保管後も鮮度は良好だった。 ※ハウユニット 鶏卵の鮮度を表す指標(米国農務省規格)で、下記の式で求められる。 72以上がAA級(最高級品位)、60〜72未満がA級(高級品位)、 31〜60未満がB級(中級品位)、31未満がC級(低級品位)と格付けされている。 ハウユニット=100log(H−1.7W0.37+7.6) H:濃厚卵白の高さ(mm) W:卵の重さ(g) (2)茹卵のおいしさ 採卵翌日の卵では、卵白はもろくて特有の弾力性がなく、食感も良くなかった。 また、卵らしい香りである硫化水素臭も弱く、おいしくなかった。
(3)卵殻の剥きやすさ 茹卵10個を剥くのに要する時間は、採卵翌日の卵では7分42秒だったのに対し、 保管日数が増えるにしたがって剥くのに要する時間は減少し、 10℃で10日間保管した卵では3分35秒だった。(図2) また採卵翌日の卵では、すべての卵が卵殻に卵白が付着し、著しい欠けがあったのに対し、 保管日数が増えるにしたがって卵殻がきれいに剥けるようになった。(図3)
3.考察 保管中に、卵白に含まれる二酸化炭素が揮散してpHが上昇していた。 これにより茹卵の卵白ゲルがしっかりとし、おいしくなり、卵殻も剥きやすくなったと考えられる。 |