2008/8/25 No.55★研究 |
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<マヨネーズの裏ワザ研究 第5弾>キユーピーマヨネーズは
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キユーピーでは、マヨネーズの用途拡大のため、サラダに使用するだけでなく、「ハンバーグに入れるとジューシーに」、「チャーハンに使うとパラッと」、「ホットーケーキに入れるとふっくらサクッと」仕上がるといったマヨネーズの性質をいかした「裏ワザ」レシピの提案を積極的に行っています。そして、キユーピーの研究所では、なぜそのように仕上がるのかについて研究し、学会等で発表してきました。
今回は、揚げ物の中でも人気の高い「天ぷら」の物性とおいしさに及ぼすマヨネーズの効果を調べました。薄力粉、全卵、水から作る「天ぷら」の基本配合のバッターと、基本配合バッターの全卵をマヨネーズに代えて作ったバッター、それぞれのバッターで「天ぷら」(エビと揚げ玉)を作り、比較しました。 その結果、マヨネーズの入ったバッターで揚げた方が専門店の天ぷらのようにサクサクしたおいしい天ぷらになることが分かりました。その理由として、乳化したマヨネーズが衣に含まれる水分を蒸発させること、原料の油や食酢がバッターのグルテン形成を阻害していることが示されました。 今後も、キユーピーでは、家庭の食場面を楽しくするような、マヨネーズの新しい可能性を追求していきたいと考えています。 |
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実験1 効果の確認【官能評価】 | ||||||||||||||||||
(1)全卵またはマヨネーズに清水を加え、さらに薄力粉を加えて攪拌し、バッターを作る。
(2)エビにバッターをつけて180℃で120秒間揚げる。 (3)30分間放冷後、「全卵を配合したエビ天ぷら(以下、対照品)」と「マヨネーズを配合したエビ天ぷら(以下、試験品)」それぞれを1尾ずつ、サクサク感やおいしさについて官能評価した(評価パネル:女子大生56名)。 |
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▼結果
約89%のパネルが、試験品の方がサクサク感があると評価した(図1)。また、約80%のパネルが、試験品の方がおいしいと評価した(図2)。 実験2 メカニズムの検証【機器測定】 実験1のバッターで作った揚げ玉を用いて、天ぷらがサクサクとなるその要因について、水分測定と物性測定(テンシプレッサー使用)で調べた。 水分測定では、水分量が少ないことでサクサク感が強くなると評価できる。また、テンシプレッサーの測定では、測定で得られるグラフのピーク数が多いとサクサク感が強くなると評価できる。 水分は、加熱乾燥法(乾燥温度105℃)で測定。テンシプレッサーは、MyBoy SYSTEM MODEL TTP-50BX(タケトモ電機製)で1バイト測定Clearance5解析を用い、ピーク数を測定した。 |
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まず、乳化の有無による違いがあるか比較検討し(実験2−1)、さらに油と卵黄がないとしっかりと乳化されないため、乳化状態にある乳化・食酢(−)マヨと、未乳化状態の未乳化・油(−)マヨ・卵黄(−)マヨに分けて比較検討した(実験2−2)。
▼結果
<実験2−1> 水分量は乳化が最も少なく、次いで未乳化、対照の順に少なかった(図3)。 テンシプレッサーのピーク数は、乳化が最も多く、次いで未乳化、対照の順に多かった (表2)。 <実験2−2>
【乳化状態のサンプル】 水分量は、乳化が最も少なく、次いで食酢(−)マヨ、対照の順に少なかった(図3)。 テンシプレッサーのピーク数は、乳化が最も多く、次いで食酢(−)マヨ、対照の順に多かった (表2)。 【未乳化状態のサンプル】 水分量は、未乳化と卵黄(−)マヨが最も少なく、次いで対照、油(−)マヨの順に少なかった (図3)。 テンシプレッサーのピーク数は、未乳化と卵黄(−)マヨ、対照、油(−)マヨの順に多かった (表2)。 |
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以上の結果より、マヨネーズが乳化されていること、およびマヨネーズに油や食酢が配合されていることで、サクサク感が強くなることが示された。 | ||||||||||||||||||
まとめ 『マヨネーズを入れた天ぷらはサクサクしておいしい。』
その理由として、 (1)マヨネーズは乳化しているので、バッターにマヨネーズを入れると、衣の中に油が分散した状態になる。その分散した油の温度が加熱によって上昇し、周囲の水分の脱水を促進する。 (2)マヨネーズの油と食酢がバッターのグルテン形成を阻害するため、サクサク感のある天ぷらを作ることができる。 ということが考えられる。 本研究成果については、日本調理科学会平成20年度大会(2008年8月29〜30日、椙山女学園大学)で発表します。
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■参考:マヨネーズを使用した調理の食感・食味改善効果に関する過去の研究
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