2008/9/12 No.62★職場環境 |
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<障害者が働きやすい職場作りに努めています>
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このたび、キユーピー株式会社は、障害者の職域の拡大、職場定着の推進および職場環境の改善整備などに尽力し、障害者の雇用を積極的に行っている事業所として、社団法人東京都雇用開発協会から表彰状を授与されました。
キユーピー株式会社では、2002年9月から障害者の雇用機会拡大のため、プロジェクトチームを作り検討を始めました。そして、2003年6月に特例子会社「株式会社キユーピーあい」を設立し、障害者が安心して仕事に従事できるよう、職場環境の整備や仕事の創出に努めてきました。2005年8月にはキユーピー株式会社の障害者雇用率は1.8%(※)に達し、現在は約2.2%となっています。 また、株式会社キユーピーあいは、聴覚障害者のコミュニケーション面での支援に効果的に取り組んだ事例が、独立行政法人 高齢・障害者雇用支援機構の「平成20年度障害者雇用職場改善好事例」の奨励賞となり、表彰状を授与されました。 9月は「障害者雇用支援月間」で、全国的に障害者の雇用に関するさまざまな啓発活動が展開されています。 キユーピーグループでは、今後も障害者一人ひとりの技能・知識などの適性を考慮し、個性を尊重しながら相携えて働ける職場作りに努め、各関連会社および事業所での障害者雇用の拡大に努めます。 ※「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」があり、「障害者雇用率」制度のもと、障害者の雇用の場の確保が進められています。この制度は、労働者が一定数以上の規模の企業などに対して、雇用している労働者に占める障害者の割合が定められています。その割合が民間企業では1.8%です。 |
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【紹介】聴覚障害者の職場でのコミュニケーション 〜キユーピーあいの事例〜
聴覚障害者といってもコミュニケーションの取り方は一人ひとり違います。キユーピーあいでは積極的に職域を拡大し、障害の種別ではなく、個人の能力などをみて配属を決めてきた結果、ろう者、難聴者、中途失聴者とさまざまな人が集まり、いろいろなチームで業務に携わっています。 会社としては、朝礼、終礼、会食、会議などで皆が同時に情報を知るために、手話通訳者とパソコンで要約する人をつけています。 さらに、聴覚障害者が所属する各チームでは「お客様に信頼される仕事をする」ために、自分達の仕事にあった自分達なりの創意工夫が自然になされるようになりました。 |
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(1)Webチームでの取り組み例
営業(=お客様)の意見はウェブ制作者が、ウェブ制作者の意見や知識は営業(=お客様)が理解しないと、同じ方向や考えで効率よく仕事を進めることができません。 そこで、営業からウェブ制作者への報告や話し合いは、口頭説明とメールの双方を活用します。また、画像加工などは画面を指差し、実際に操作して目で確かめ、会議では必要情報をホワイトボードに書き示しながら会議を行います。さらに、手話通訳者には事前におおまかな説明をしておくことで、打合せでのスムーズなコミュニケーションを実現しています。 このように情報共有を積極的に図ることで、障害によって発生しがちなコミュニケーションの溝を埋めることができるだけでなく、お客様に信頼される仕事ができるようになり、以前よりも踏み込んだ提案もできるようになりました。 |
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(2)経理チームでの取り組み例 経理を担当している聴覚障害者には、左右どちらから話しかけられても良いように、両サイドに1つずつミニホワイトボードがあります。 普段、聴覚障害者は、取引先などとはメールでやり取りをしますが、電話で問い合わせがあった場合には、隣にいるメンバーがどんな問い合わせなのか必ずホワイトボードに書いて逐次伝え、担当者が回答するようにするなど、ホワイトボードを活用し、コミュニケーションを図っています。 |
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(3)食堂・売店チームでの取り組み例 売店では、商品や喫茶メニューをタッチパネルで選択するレジをやめ、バーコードリーダーで読み取れるPOSレジを導入し、商品や金額の入力間違いを解消しました。 また、喫茶コーナーでは、視覚障害者と聴覚障害者がそれぞれレジと喫茶コーナーに入る時など伝達の行き違いが起こる不安がありましたが、色で判別できるバーコード付き注文カードを導入することで、確実に注文から受け渡しまでができるようになりました。 カードには大きめの文字で品名が書かれていて、さらに視野狭窄の視覚障害者でも判別できるようにカードの色を変えています。 例えば、よく注文のあるコーヒーは、ホットは赤いカード、アイスは青いカードにして区別しやすくしています。 |
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他にも、日替わりメニューは毎回注文カードを作成するのが非効率的なので、黒板に書いてあるメニューの指差し確認を徹底する、会議室への出前注文は出前ボードに注文内容を記入してもらい、出前の前後にしっかり確認するなど、確実に注文から受け渡しまでができるような工夫をしています。
キユーピーあいでは、聴覚障害があるからということではなく、皆に分かりやすい方法を考えた結果、自然にいろいろな情報共有のかたちが生まれています。 |
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■キユーピー株式会社の特例子会社「株式会社キユーピーあい」
「株式会社キユーピーあい」はキユーピー株式会社100%出資の子会社として2003年6月に設立し、同年12月に特例子会社の認定を受けました。 業務内容は、コンピューターによる各種入力および計算処理、経理および労務に係る補助業務、伝票照合、印刷、ホームページ制作等のWeb事業、広告・プレゼンテーション資料の作成受託、発送代行、メール室管理、電子文書化に加えて、障害者雇用コンサルタント、リラクゼーションルーム、喫茶コーナーの開設と多岐にわたっています。 現在は、本社、渋谷事務所、八王子事務所の3拠点で身体障害、知的障害、精神障害と広く雇用し、スタッフとして障害者職業生活指導員や職場適応援助者(ジョブコーチ)、手話通訳者がおり、一緒に業務に携わっています。 キユーピーあいでは、一人ひとりの技能・知識などの適性を活かした仕事の創出に努め、またグループ各社には障害者雇用に関する情報を発信したり、雇用実例を水平展開できるように連携を図っています。 そして、地域の障害者就労・生活支援センターや訓練校、特別支援学校などと連携を深め、アドバイスや職場実習、職場適応委託訓練、学生のインターンシップの受け入れを行っています。 |
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【株式会社キユーピーあい】
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