2009/9/10 No.61★研究 |
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<大麦黒酢のもたらす生理機能に関する研究>大麦黒酢の摂取により
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キユーピー株式会社は、キユーピー醸造株式会社との共同研究で、大麦黒酢の摂取により、血流が改善されることを確認しました。また、その血流改善には大麦黒酢のもつ抗酸化作用が関与していることが示唆されています。
近年、健康志向から飲用酢の人気が高まっており、なかでも黒酢の注目度は大変高くなっています。黒酢には、米を原料とした米黒酢と大麦を原料とした大麦黒酢の2種類がありますが、大麦黒酢については、詳細な研究報告が少ないのが現状です。そこで今回、大麦黒酢の血流に及ぼす影響について調査しました。 調査は、健常成人男女20人を無作為に2つのグループに分け、市販の大麦黒酢と米黒酢をそれぞれ1日15mL(大さじ1杯)ずつ4週間継続して摂取し、摂取前および摂取後に血液流動性を測定しました。血液流動性は、血液流動性測定装置MC-FAN(Micro Channel array Flow Analyzer)を用い、血液100μLが通過するのに要する時間を測定する方法で調査しました。 その結果、血液流動性を示す血液通過時間は、大麦黒酢15mL摂取群(摂取前:約49.1秒⇒摂取後:約42.9秒)の方が米黒酢摂取群(摂取前:約49.2秒⇒摂取後:約45.3秒)よりも短縮しました(図1)。また、ラットを用いた試験で大麦黒酢には血流改善に関与するとされている抗酸化作用があることが確認されました。 |
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図1 血液通過時間 | |||||||||||
※有意差とは その結果が偶然ではなく、確かに差があるものかどうかを統計学的に検討した結果、 差があったことを示します。 | |||||||||||
【試験内容】
健常成人男女20名(男性12名、女性8名、平均年齢45.6歳)を10名ずつ2つのグループに分け、1日に大麦黒酢15mLまたは米黒酢15mLを5〜7倍に希釈して4週間毎日摂取しました。そして摂取前後の血液通過時間を比較しました。(ダブルブラインド並行群間比較試験法) 【試験結果】 大麦黒酢を摂取したグループでは、血液通過時間が摂取前は49.1±2.7秒(平均±標準誤差)であったのに対し、4週間毎日摂取し続けた後には42.9±1.3秒と短縮し、摂取前後で有意差のある結果を得ました。一方、米黒酢を摂取したグループの血液通過時間は、摂取前が49.2秒±1.8秒に対し、摂取後には45.3秒±2.1秒となり、数値的には短縮しましたが、有意差はみられませんでした。 また、試験管内での試験と動物試験において、大麦黒酢には抗酸化作用があることも確認されました。赤血球は、活性酸素によって酸化されると硬くなり、柔軟性を失います。柔軟性を失った赤血球は細い血管を通りにくくなることから血流を悪化させます。この活性酸素による酸化を抑えること(抗酸化作用)で、赤血球を柔軟にし、血流を改善するといわれています。したがって、今回の調査で得た大麦黒酢の摂取による血流改善作用に、大麦黒酢の有する抗酸化作用が関与していると考えられます。 【MC-FANにおける血液流動の様子(画像)】 |
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【結論】
大麦黒酢を摂取することは血流改善に効果があることが確認されました。 【キユーピー醸造株式会社】
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