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キユーピーアヲハタニュース

2009/10/19 No.67

★調査

<卵とサルモネラに関する実態調査>

サルモネラ・エンテリティディスの
分布実態を共同で調査しました

10月19日(月) 日本食品微生物学会 30周年記念学術総会(東京)で発表
 キユーピー株式会社は、神戸市環境保健研究所、財団法人日本食品分析センター、国立感染症研究所と共同で実施した、「卵とサルモネラに関する調査結果」を日本食品微生物学会学術総会(タワーホール船堀・東京都江戸川区)で発表します。
 研究グループは、1990年代以来、未殺菌(未加熱)液全卵を中心としたサルモネラ・エンテリティディス(※)の分布実態の調査とともに、サルモネラ食中毒事例における患者や原因食品から検出された菌の疫学調査を全国規模で実施してきました。しかし、卵のサルモネラの由来経路を把握するための環境調査の実施例はありませんでした。そこで今回、未殺菌液全卵に関する新たなデータの蓄積に加え、農場における環境の実態調査を全国規模で実施しました。
 サルモネラ食中毒は、1990年代後半と比較し、近年は低くなっている傾向にあります。最近3年間に未殺菌液全卵から検出されたサルモネラ全体に占めるサルモネラ・エンテリティディスの割合は、2007年が30.4%、2008年が16.1%、2009年は34.1%でした。今回初めて実施した鶏の飼料等、農場の環境調査においてはサルモネラの検出はなく、農場でのリスク管理が徹底されていることがうかがえました。実際に食中毒事例数は、2008年には99例であったのに対して、2009年は10月現在の速報値では14例と、前年に比較して減少傾向にあります(厚生労働省 食中毒統計資料)。これらの結果から、鶏卵業界での農場のリスク管理の徹底が進んでいること、一般消費者に対するサルモネラに関する情報の提供が食中毒予防につながっていることが分かります。
 今後はさらに環境の調査を進め、また検出されたサルモネラの遺伝子学的な解析等、より詳細な調査を行います。農場から食卓まで一貫した衛生対策のためのサルモネラに関する調査にキユーピーは、国内で生産される卵の約1割を扱うメーカーとして積極的に参加し、安全・安心な商品を食卓にお届けできるよう、原料の品質管理のレベルアップに取り組んでいきます。

(※)サルモネラ・エンテリティディスとは約2,500種あるサルモネラ属菌の血清型のひとつです。