2010/8/20 No.61★学会発表 |
<医療現場における食べやすさの評価>新規介護食用ソースを用いたメニューの
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キユーピー株式会社は、特定医療法人北九州病院、東京医療保健大学と共同研究で実施した、新規介護食用ソースを用いたメニューの食べやすさに関する評価を第16回日本摂食・嚥下リハビリテーション学会学術大会(朱鷺メッセ:新潟コンベンションセンター/新潟市)で発表します。
食べることや飲み込むことが困難になった方の食事では、誤って食物が気管に入ることや食欲の減退を防止することが重要です。しかし、食べやすさ、飲み込みやすさを優先すると、使用できる食材は限定され、メニューの幅は狭くなりがちです。そこで、今回「おいしく安全」に食事ができるように開発したソースの食べやすさを評価しました。評価は、ソースを使用したメニューの「物性」と「飲み込みやすさ」の2点から実施しました。 試験は、北九州総合病院に入院している患者のうち、医師が摂食・嚥下困難(食べる力や飲み込む力が低下している)と診断した方3名を対象として、同意を得た後に実施しました。患者に新規介護食用ソース5種を用いたメニューを検査食として提供し、「嚥下造影検査」にて「嚥下造影の標準的検査法」に基づき評価しました。あわせて「むせ」についても確認しました。 医師が「嚥下(飲み込み)」を評価したところ、検査対象3名すべてが良好または正常範囲でした。また、酢の物で誘発されやすい「むせ」についても呼吸や声に問題はありませんでした。 以上より、新たな介護食用ソースの使用は、摂食・嚥下機能の低下した高齢者がむせずに食事を楽しめることからQOL(生活の質)の向上が期待されます。また、食事を提供する側にとってはメニューの幅を広げられる可能性が高くなります。 今後も高齢者の食べる意欲や嗜好に対する課題解決の一助になり、喫食率向上、栄養状態改善につながるような食品の開発と評価を引き続き行ってまいります。 |