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キユーピーアヲハタニュース

2011/9/8 No.52

★学会発表

<卵白由来の新素材研究>

乳酸菌で発酵させた卵白は
血中コレステロール濃度を低減します

9月11日(日)日本食品科学工学会第58回大会で発表
 キユーピーは、卵白を乳酸菌で発酵させた新素材「乳酸発酵卵白」を開発し、その性質を調査しました。その結果、「乳酸発酵卵白」は食品素材として利用しやすく、さらにヒトでの摂取試験により、血中コレステロール濃度を低減することがわかりました。本内容は9月11日(日)に日本食品科学工学会第58回大会(宮城県仙台市、東北大学川内北キャンパス)で発表します。

 卵白は脂肪分を含まない良質なたんぱく源として知られていますが、特有のにおいがあることや、加熱により固まってしまうことなどから、飲料など活用しにくい食品分野があります。そこで、卵白を乳酸菌で発酵させることにより、幅広い食品で活用しやすい新素材を調製し、その性質を調べました。

☆「乳酸発酵卵白」の調製と食品としての評価
 卵白にグルコース等の乳酸菌の栄養素を加え、加熱処理を行った後、乳酸菌を添加して、卵白を乳酸発酵させました。発酵後、殺菌、均質化することで「乳酸発酵卵白」を調製しました。
 「乳酸発酵卵白」は、卵白そのものの硫化水素臭はほとんど感じられず、乳酸発酵食品のさわやかな風味を呈し(表1)、また、90℃で40分間加熱した後も凝固せず、なめらかな状態を保っていました(図1)。
☆「乳酸発酵卵白」の摂取による血中コレステロール濃度の低減
 健常成人男性88名(血中総コレステロール濃度は204〜259mg/dL)を対象に、「乳酸発酵卵白」の摂取による血中コレステロール濃度への影響を調査しました。
 卵白たんぱく質の量が4g、6g、8gとなるようにドリンクに「乳酸発酵卵白」を配合し、1日1回、8週間にわたって摂取し、摂取開始前、摂取開始4週後、摂取開始8週後の3回、血中コレステロール濃度を測定しました。
 初期値を0として変動を調べた結果、8g食の摂取により、血中総コレステロール濃度と血中LDLコレステロール濃度に有意な低下が認められました(図2、3)。また、6g食摂取においても血中LDLコレステロール濃度の有意な低下が認められました(図3)。
以上の結果から、「乳酸発酵卵白」は幅広い食品に利用でき、かつ血中コレステロール濃度の低減が期待できる新しい素材であることがわかりました。
キユーピーは今後も卵の持つ可能性について、さらに研究を続けていきます。