2012/3/22 No.24★学会発表 |
|
|
キユーピーは、卵白を加水分解した卵白ペプチドが運動による疲労の蓄積を抑える可能性があるという試験結果を得ました。試験結果は、3月22〜26日に開催される日本農芸化学会2012年度大会(会場:京都女子大学等/京都府京都市)で発表します。
キユーピーでは卵白およびその加工品の健康機能について研究を進めています。これまでに卵白の血中コレステロール低下作用、体脂肪低下作用(※1)を、また、卵白ペプチドでは血中コレステロール低下作用および生体内抗酸化作用(※2)を確認しています。 今回、卵白ペプチド摂取による疲労蓄積への影響を水泳持続時間で評価したところ、卵白ペプチドを摂取したマウスは摂取しないマウスに比べて水泳持続時間が有意に長くなり、運動による疲労蓄積が抑えられることが示唆されました。 また、あわせて卵白ペプチドを摂取した後の血中アミノ酸の量を経時的に測定したところ、卵白ペプチドは卵白そのものに比べて吸収性に優れることがわかりました。 今回の結果から、卵白ペプチドの摂取は運動中の疲労蓄積の予防、あるいは運動後のスピーディーな疲労回復に適していることが示唆されました。 ※1 キユーピーアヲハタニュース 2010年 No.30 参照 ※2 キユーピーアヲハタニュース 2007年 No.71 参照 |
|
【研究内容の概略】 | |
(方法1) | 卵白ペプチドを10%もしくは20%配合した飼料を14日間マウスに摂取させた【卵白ペプチド10%群、20%群】。対照には、乳タンパク質(カゼイン)20%、あるいは卵白20%を配合した飼料を摂取させた【乳タンパク質群、卵白群】。各群10匹による試験で、摂取開始後11〜14日目の4日において、疲労の蓄積を水泳持続時間によって評価した。 |
(結果1) | 卵白ペプチド10%群は、乳タンパク質群と比較して水泳持続時間が有意に長くなった(図1)。卵白ペプチド20%群も水泳持続時間の平均値が長くなる様子が見受けられ、卵白ペプチドの摂取により疲労の蓄積が抑えられていることが示唆された。 |
図1.卵白ペプチド摂取による水泳持続時間の変化 |
|
(方法2) | 卵白ペプチドおよび卵白をラットに体重1kgあたり1000 mg経口投与後(各群6匹)、経時的に門脈より採血し、血中アミノ酸量を分析した。 |
(結果2) | 卵白ペプチドを摂取させたラットは、10〜30分後に血中アミノ酸量がピークに達し(図2)、卵白と比較して吸収性に優れることがわかった。 |
図2.卵白ペプチド摂取後の血中アミノ酸量の変化 |