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キユーピーアヲハタニュース

2012/3/27 No.27

★学会発表

ヒアルロン酸アルキル誘導体に、皮膚バリア機能の
修復効果があることがわかりました

3月29日(木)日本薬学会 第132年会(北海道札幌市)で発表
 キユーピーは、ヒアルロン酸の一部に疎水基を付けた「ヒアルロン酸アルキル誘導体」に、水分の蒸散を防ぐ皮膚バリア機能を修復する効果があることを確認しました。この研究は、3月28〜31日に開催される日本薬学会 第132年会(北海道大学札幌キャンパス等/北海道札幌市)で発表します。

 キユーピーは国内で唯一、鶏冠抽出法と微生物発酵法の二つの製法を有するヒアルロン酸メーカーとして、その機能性についての研究を進めています。
 今回の研究は、皮膚バリア機能の修復効果を有する新規機能性ヒアルロン酸の効果を確認するために行いました(試験(1)(2))。両試験とも、「ラメラ構造の形成」に着目した方法を採用しています。ラメラ構造とは、皮膚の角質細胞の間隙で、脂質層と水層が交互に並んだ構造のことを指し、これが形成されることで皮膚バリア機能が発揮されると考えられています。

試験(1) 生体外での試験「ラメラ構造形成の確認」
 試験管中で乾燥肌の角質細胞間の状態を再現し、ヒアルロン酸アルキル誘導体を添加して偏光顕微鏡で観察を行ったところ、水を添加した場合と比較してラメラ構造体の数が多く確認されました。これにより、ヒアルロン酸アルキル誘導体にラメラ構造形成作用があることがわかりました。(画像1参照:赤丸がラメラ構造体)

画像1 偏光顕微鏡画像によるラメラ構造体数の比較
水のみを添加ヒアルロン酸アルキル誘導体を添加
水のみを添加ヒアルロン酸アルキル誘導体を添加

試験(2) ヒト試験「荒れ肌改善の確認」
 被験者16人に対し、乾燥肌モデルを作製後、ヒアルロン酸アルキル誘導体水溶液を塗布したところ、水を塗布した場合と比較して、角質層水分量が高くなると同時に、皮膚水分蒸散量の抑制が確認されました。また、医師による皮膚所見においても、ヒアルロン酸アルキル誘導体が荒れ肌(乾燥肌)に対して、「きわめて有用」81%、「有用」19%と、高い評価を得ることができました。
【研究内容の概略】
(方法) 20〜50歳の健康な肌を持つ女性16人に対し、アセトン・エーテル混液で前腕部に荒れ肌(乾燥肌)の状態を作り、(A)水および(B)ヒアルロン酸アルキル誘導体1%水溶液を、5日間にわたり就寝前に毎日塗布する。

(結果)医師による皮膚所見、マイクロスコープ撮影(画像2参照)、角質層水分量測定(グラフ1参照)、経表皮水分蒸散量(TEWL)測定(グラフ2参照)を行った結果、すべての項目において、荒れ肌(乾燥肌)に対するヒアルロン酸アルキル誘導体の皮膚バリア機能修復効果が認められた。
画像2 マイクロスコープ画像による肌の状態比較
画像2 マイクロスコープ画像による肌の状態比較
グラフ1 塗布3日後の角質層水分量測定結果
グラフ1 塗布3日後の角質層水分量測定結果
グラフ2 塗布3日後の経表皮水分蒸散量(TEWL)測定結果
グラフ2 塗布3日後の経表皮水分蒸散量(TEWL)測定結果