キユーピーと酢酸菌
酢酸菌とは?
酢酸菌は、花粉症や飲酒時の体調を整える効果があります。昨今ではヒト臨床試験によって免疫バランスを整える効果があることが報告されています。
このような効果のある酢酸菌は、アルコールからお酢の成分である酢酸を作る菌の総称で、黒酢、にごり酢、コンブチャなどの発酵食品に含まれています。
酢酸菌イメージ
酢酸菌を含む商品
キユーピーグループでは、独自の製法でにごり酢を作っており、その原料となる 独自素材 「酢酸菌GK-1」 の機能に着目し、新たな価値創造につなげる研究を進めています。
酢酸菌の免疫へのはたらき
酢酸菌GK-1は、免疫の司令塔である「pDC(プラズマサイトイド樹状細胞)」を活性化し、分泌型免疫グロブリンA抗体(分泌型IgA)を増加させ、風邪に見られる諸症状を減少させることができます。
酢酸菌GK-1は免疫の司令塔である「pDC(プラズマサイトイド樹状細胞)」を活性化することを世界で初めて※1確認し、論文に掲載されました※2。
※1 ヒトでpDCに働きかけることが世界で初めて論文報告された酢酸菌(PubMed及び医中誌Webの掲載情報に基づく)
※2 Tanaka T et al.,Jpn Pharmacol Ther. 2022, 50:12, 2237-48.
イメージ図
研究データ
ヒト試験「免疫バランスへの効果」
酢酸菌GK-1摂取後に唾液中の分泌型lgA量を想定した結果、唾液中の分泌型lgA量が増加する事が分かりました。合わせて、酢酸菌GK-1を摂取することで、風邪に見られる「5つの症状(鼻汁・鼻づまり・せき・全身倦怠感・疲労)」の発症率が低下することが確認されています。
試験詳細
まめ知識:食事から多様な「菌」を取り込みましょう!
免疫力をアップするためには、食事からお酢(酢酸菌)やヨーグルト(乳酸菌)などの多様な「菌」を摂って体に取り込むことが重要です。小腸のパイエル板に存在する免疫細胞が、体に取り込まれた多様な「菌」を抗原として認識することで、免疫抗体の産生を促進することができます。
酢酸菌の花粉症へのはたらき
花粉症(アレルギー)の予防・改善には、発酵食品を摂り多様な菌を体内に取り込むことが良いと言われています。
酢酸菌は、免疫細胞の抗原受容体である「TLR2」と「TLR4」の両方に作用できることが確認されています。
また、免疫バランスを整え、免疫の誤作動や過剰反応を抑制し、花粉症などのアレルギー症状を抑えると考えられています。
酢酸菌が免疫バランスを調整する仕組み
※免疫を活性化するスイッチTLRは、現在1-11まで発見されており、各TLRによって、感知する成分が異なる。
研究データ
ヒト試験「花粉飛散期における鼻づまりの不快感への効果」
花粉症による鼻づまりの不快感について、酢酸菌GK-1を毎日摂取する臨床試験が行われました。
その結果、摂取4週間後から花粉症による鼻づまりの症状が改善されました。
被験解析対象者:73名|減感作治療者、開始時に風邪の申告があった者、調査未回答者を除外
試験詳細
酢酸菌のアルコールへのはたらき
酢酸菌にはアルコールをお酢(酢酸)に変換する酵素が存在します。酢酸菌のアルコール分解酵素が、肝臓と同じ働きで体内のアルコールを分解し、飲酒時の体調への負担を和らげる研究が進められています。
「酢酸菌酵素」を知っていますか?(1分21秒)
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研究データ
研究の結果、2つの酢酸菌酵素の「ちから」が確認されました。
1. 飲酒時のアルコール濃度を低減!
酢酸菌酵素を摂取することにより、飲酒時の呼気と血中のアルコール濃度が低下しました。
試験詳細
2. 飲酒時の肝機能の悪化を低減!
酢酸菌酵素を継続摂取することにより、飲酒時の肝機能悪化や脂肪肝が軽減されました。
試験詳細
まめ知識:飲酒によるさまざまな症状
飲酒した際、肝臓でアルコールが分解されますが、処理しきれなかったアルコールとアルデヒドは、血管を通って全身をめぐり、酔いや赤面、頭痛、吐き気などのさまざまな症状を引き起こします。
アルコールやアルデヒドを分解する酵素の働きには個人差があると言われています。
にごり酢うまれの酢酸菌
にごり酢について
にごり酢とは古来使われているろ過する前の状態のお酢です。
キユーピーグループでは、独自の製法によって、そのにごり酢を作っています。
昔ながらの製法によって「甕(かめ)」から作られているにごり酢のイメージ
お酢の歴史
お酢は古く貴族に薬として重用される希少なものでした。
江戸時代の書物「隋息居飲食譜」には「お酒の酔い醒ましに良い」と記されていました。明治・大正の近代化に伴い、お酢が工業的に生産されるようになると、にごり酢のにごり成分はろ過され、現代の透明なお酢が一般的になっていきました。
江戸時代の健康書「隋息居飲食譜」より
にごり酢の研究と世界初の大量生産
お酢はマヨネーズの味を左右する重要な原料であるため、キユーピーは、長年にわたりお酢と酢酸菌の研究を重ねてきました。その結果、酢酸菌を高濃度に含むにごり酢を世界で初めて大量生産することに成功しました。