環境マネジメント
環境マネジメントの考え方
キユーピーグループの事業は、豊かな自然の恵みに支えられています。しかし、地球温暖化、プラスチックによる海洋汚染、生物多様性の喪失など環境問題は深刻化し、企業活動にも大きな影響を及ぼしています。キユーピーグループは長年、「品質第一主義」を土台に、事業活動の環境負荷低減に取り組んできました。
環境ビジョン
2025年から始まる11次中期経営計画を機に「キユーピーグループ 環境ビジョン2050」を策定しました。脱炭素社会の実現、循環型社会の構築、生物多様性の保全を柱に環境活動を推進し、持続可能な社会の実現に貢献します。
キユーピーグループ 環境方針
環境理念・行動指針からなるキユーピーグループ 環境方針は、国内外での環境保全の意識の高まりを受けて制定しました。キユーピーグループ サステナビリティ基本方針と連動し、取り組みを推進します。
キユーピーグループ 環境方針
商品の設計、原料調達から、生産、販売、消費までの
バリューチェーン全体の活動に
おいて環境配慮に努めます。
- 1.省資源、省エネルギー、廃棄物の削減、再資源化の推進と技術開発に努めます。
- 2.環境の影響に配慮した商品開発と、容器包装の適正化を推進します。
- 3.自主的な基準を定めて環境保全に取り組み、法規制の遵守はもとより社会的要請に応えうる環境管理体制の整備と充実を図ります。
1998年制定、2022年改訂
重点課題と目標の設定
キユーピーグループでは、地球環境への取り組みとして「資源の有効活用・循環」「気候変動への対応」「生物多様性の保全」のそれぞれの重点課題の取り組みについて指標(サステナビリティ目標)を設け、実践につなげています。
環境マネジメント推進体制
キユーピーグループでは、サステナビリティ担当取締役を委員長とするサステナビリティ委員会を開催しています。環境面では、サステナビリティに向けての重点課題の解決に向け、テーマごとに分科会・連携プロジェクトを設け、グループ全体への浸透と定着を図り、取り組みを推進しています。
環境マネジメントシステム
キユーピーグループでは、環境保全活動のPDCAサイクルを回すための基本ツールとして、各事業所でISO14001あるいはこれに準じた独自のシステムを導入しています。
ISO14001 認証取得状況
国内グループ生産71事業所中24事業所がISO14001認証を取得しています(2023年11月末現在)。
環境法規の遵守
キユーピーグループの各事業所は、環境に関わる法令・条例などの規制の遵守はもちろん、独自の基準に基づき管理・対応を適正に行っています。
※ 2023年度は、関連法規などの違反や事故の発生はありませんでした。
環境監査
キユーピーグループは、関連法規などの遵守、管理推進体制の整備、施設管理状況などについての基準を定め、定期的な内部監査を実施することで、それらを徹底するとともに環境保全活動を推進しています。この他、ISO14001認証取得事業所では、規格に基づいた外部機関による審査を受け、要求事項に適合した仕組みや運用を確認しています。
事業活動における環境影響
商品の生産工程では、原料・資材・水などの資源、電気・ガス・重油などのエネルギーが消費され、産業廃棄物や水、CO2などが排出されます。また、商品輸送時のエネルギー使用に伴う環境負荷や、お客様が使用された商品の容器包装は廃棄物になります。
そうした事業活動に伴う環境への負荷を正しく認識し、商品の設計、原料調達から、生産、販売、消費までのバリューチェーン全体の活動で、持続可能な地球環境に配慮し、省エネルギー・省資源、廃棄物削減、容器包装の改善、輸送の効率化、汚染防止などの環境保全活動を推進しています。
キユーピーグループ生産部門での物質とエネルギーの流れ
キユーピーグループ生産部門における物質とエネルギーの流れ(2023年度)
インプット
エネルギーの使用 | 購買電力 | 1,925 千GJ (205,193千 KWh) |
---|---|---|
燃料※1 | 1,048 千GJ | |
エネルギー合計 | 2,973 千GJ | |
水の使用 | 水 (地下水、水道水) |
7,367 千m3 |
アウトプット
大気への排出 | CO2 | 149.9 千トン |
---|---|---|
NOx | 33.6トン | |
SOx | 6.7トン | |
水域への排出※2 | 排出量 | 5,879 千m3 |
廃棄物の排出 | 排出量(再資源化率) | 33.5 千トン (97.2%) |
※1発電燃料含む
※2河川、公共下水道含む
対象:キユーピーグループ生産工場
廃棄物排出量の削減
廃棄物排出量の削減目標
- 総量および生産数量当たりの原単位 前年比減
キユーピーグループの工場から排出される主な廃棄物は、製造工程から排出される食品残さや包装資材のロスとしての廃プラスチック類、排水処理設備における排水処理後の汚泥などがあります。
キユーピーグループでは、製造工程における歩留まりの改善や、容器包装の改善などによる廃棄物の発生抑制を第一として取り組んでいます。
また、卵殻の肥料化や野菜未利用部を含む食品残さの社内再生による再資源化(堆肥化・飼料化)や、廃棄物などとして外部に再資源化(堆肥化)を委託することで、工場で発生する廃棄物などの再資源化率100%(単純焼却・埋立て処分ゼロ)に取り組んでいます。
2023年度の再資源化率は97.2%となっています。また、再資源化率100%達成工場は、グループ生産71事業所中28事業所となっています。
廃棄物排出量※
対象:キユーピーグループ生産工場
※グループ内で再資源化している副産物を除く
※使用量・原単位の大幅な減少の主な原因は、サラダ・惣菜事業における一部事業売却による影響
地域への環境配慮
キユーピーグループの事業所では、近隣にお住いの皆さまや、地域の環境に配慮して操業を行っています。
水質汚濁の防止
排水処理設備で浄化処理後の排水は自主管理基準を定めて水質などを管理し、地域ごとの基準を遵守しています。また、液体原料・燃料のタンクなどには漏洩防止設備を設置するとともに、万が一の公共水域への排出、地下浸透などを想定した訓練を行っています。
大気汚染の防止
ボイラーやコジェネレーションなどは、適切な運転管理に努めるとともに、定期点検・メンテナンス、ばい煙測定を実施しています。また、ボイラーなどの燃料についても、ばいじんや硫黄酸化物の発生が少ないガスへの転換を進めています。
騒音防止と臭気対策
排水処理や調理の際に発生する臭気対策として、工程改善や脱臭装置の整備を行っています。また、騒音防止のため、防音壁の設置や設備導入時の騒音評価、従業員や納入業者への指導などを実施しています。
環境コミュニケーション
キユーピーグループの事業活動は、原材料をはじめとした豊かな自然の恵みのもとに成り立っています。持続可能な社会を引き継ぐために、事業活動が与える自然への影響に十分に配慮し、環境負荷低減活動や環境保全活動の充実を図り、環境活動を通じてステークホルダーの皆様とコミュニケーションを深めることを目的に、情報発信に努めます。
キユーピーグループecoラベル
2024年2月より、キユーピーグループ独自のecoラベルを表示しています。環境に配慮した商品であることをお客さまに分かりやすくお伝えすることを目的に容器包装に対する環境配慮基準を定め、基準を満たした商品に付与します。
ラベル一例
デザインに込めた想い
キユーピーグループは「愛は食卓にある。」への想いを大切に、さまざまな課題に対して「おいしさ・やさしさ・ユニークさ」をもって取り組み、解決をめざしています。その取り組みの一環として、環境に配慮した商品に付与するエコラベルのデザインにも「愛は食卓にある。」の想いを込めました。
食卓に不可欠なお皿とスプーンとフォーク、そして中央にecoのロゴを添えて「環境へのやさしさ」を伝え、oの文字にはアクセントとして葉っぱをつけました。
キユーピーグループecoラベル付与基準
付与項目 | ラベル付与基準 |
---|---|
プラスチック削減 | プラスチック使用量を5%以上削減(2018年を基準として) |
再生プラスチック | プラスチック使用量に占める再生プラスチック材料を重量比で25%以上使用 |
バイオマスプラスチック | プラスチック使用量に占めるバイオマスプラスチック材料を重量比で10%以上使用 |
表示例
環境教育
キユーピーグループでは、従業員の環境保全に対する意識を高め、取り組みを推進するために環境教育を行っています。
関係部署と連携を取り、環境実務に即した内容で要望のある講座を実施しています。
排水処理管理、廃棄物管理などの教育は定期的に実施しています。
各事業所でも、環境問題に関する一般教育や緊急事態を想定した訓練などを行っています。