プラスチックの削減・再利用
プラスチック削減・再利用の考え方
キユーピーグループは、食品の容器包装などにプラスチックを使用しています。プラスチックは、軽くて壊れにくいという利点がありますが、海洋プラスチックごみをはじめ、地球環境への影響が指摘されています。
キユーピーグループでは、プラスチックごみが生態系や環境に大きな影響を及ぼす重要な課題と認識し、石油由来のバージンプラスチック使用量削減、および資源循環に向けた取り組みを進めています。
キユーピーグループ プラスチック方針
キユーピーグループでは、「キユーピーグループ プラスチック方針」を策定し、 事業活動で使用するプラスチックの削減などの取り組みを加速させ、循環型社会の構築に貢献することをめざして取り組みを推進します。
キユーピーグループ プラスチック方針
3R+Renewableを実施し、持続可能な循環型社会の実現に貢献します。
- 開発段階から環境配慮設計を行います。
- バリューチェーン全体で協力し推進します。
2019年制定、2022年改訂
今後推進していく主な取り組み
- 軽量化を主体としたプラスチック使用量のさらなる削減
- 再生プラスチック、およびバイオマスプラスチックの導入
- 分別しやすい容器包装設計
- プラスチックの回収・再生を推進する業界の取り組みに参加
ドレッシング容器の
軽量化
再生プラスチックを
含む容器を採用
容器包装設計でのプラスチック削減
商品の容器包装は、商品の品質やおいしさを保つためには欠かせないものですが、生産する際にエネルギーを消費し、使用後は廃棄物となります。
「キユーピーグループ 容器包装選定の基本方針」のもと容器包装の軽量化・簡素化やバイオマス素材、再生材などの開発を進め、環境負荷が少ない包材の採用を推進しています。
容器包装の軽量化・簡略化
開始時期 | 対象 | 内容 |
---|---|---|
2024年2月 | 業務用商品 ほしえぬパスタソースパキッテシリーズ |
容器サイズ変更によりプラスチック使用量25%削減 |
2023年7月 | 業務用商品 ニューエグスター |
ボトルのプラスチック使用量を削減しすることで軽量化 |
2023年1月 | 業務用商品 キユーピー、ほしえぬブランド1000ml・500mlボトル容器入り商品 |
軽量化によりキャップのプラスチック使用量を約9%削減 |
2022年9月 | キユーピー あえるパスタソースシリーズソースタイプ | 個装サイズをスリム化し、プラスチック使用量を約7%削減 |
2022年8月 | ヴェルデ トーストスプレッドシリーズ | 容器のラミネートチューブに使用している素材の厚みを薄くすることで、プラスチック使用量を約10.9%削減 (2023年シリーズすべてに採用) |
2022年3月 | キユーピー ベビーおやつ 野菜入り ソフトおせんべい |
外装・個包装・トレーの資材を変更し、プラスチック使用量 を35%削減。さらに材質を単一素材に変えることで、リサイクルのしやすさにも配慮 |
2022年2月 | ヴェルデ ホイップシリーズ | 容器薄肉化によりプラスチック使用量を約9.3%削減 |
2022年2月 | サラダクラブ パッケージフィルム | パッケージサラダに使用するフィルムの寸法の縮小化や薄肉化などの規格変更 |
2022年1月 | サラダクラブ パッケージサラダトレー | パッケージサラダに使用するトレーを、従来品と比較して、約10%軽量化 |
2021年3月 | キユーピー すまいるカップシリーズ、キユーピー やさしい献立 | 上部に付いていた外蓋をなくすことで、使用するプラスチック量を削減 |
2021年3月 | キユーピー ベビーおやつ たまごたっぷりぼうろ |
外装、内装でのプラスチック使用量を約25%削減 |
2019年4月 | キユーピー ドレッシング 380ml | ボトルの強度を落とさない工夫を施すことで、従来のボトルの形状イメージを損なうことなく軽量化 |
環境負荷の少ない包材の採用
開始時期 | 対象 | 内容 |
---|---|---|
2024年2月 | キユーピー あえるパスタソースシリーズ | 外装を紙パッケージに変更 |
2024年2月 | キユーピー3分クッキング 野菜をたべよう!スープの素 | 外装を紙パッケージに変更 |
2023年7月 | キユーピー テイスティドレッシング、機能性表示食品ドレッシング | 再生プラスチックを100%使用したボトルを採用(国内調味料初:キユーピー調べ) |
2023年5月 | ヴェルデ パキッテシリーズ | 容器の一部(内容物が入っている部分)にバイオマスプラスチックを配合することで、石油由来プラスチック使用量を40%削減 |
2021年6月 | キユーピー テイスティドレッシング | 再生プラスチック※30%を含むボトルを採用
※ 主に清涼飲料水用のペットボトルを回収後に粉砕、洗浄した後、高温下で一定時間処理し、汚染物質を除去することで高品質にする方法「メカニカルリサイクル(物理的再生法)」で再生したプラスチック |
2020年8月 | サラダクラブ 素材パウチシリーズ | 植物由来のプラスチック※を一部に使ったパウチを、全19品のうち12品で採用 (2022年シリーズすべてに採用) ※ 植物由来のプラスチック:再生可能な有機資源(サトウキビの副産物などの植物)を原料に使用したバイオマスプラスチック |
2020年2月 | キユーピー ドレッシング スティックタイプ | 外装に再生プラスチックを約15%使用 |
キユーピーグループecoラベル
ラベル一例
キユーピーグループ独自のecoラベル※を表示していきます。環境に配慮した商品であることをお客さまに分かりやすくお伝えすることを目的に容器包装に対する環境配慮基準を定め、基準を満たした商品に付与します。
※ 2024年2月より開始
製造・流通でのプラスチック削減
キユーピーグループでは、商品容器包装でのプラスチック削減以外にも、調達から製造、流通、消費に至るまでのバリューチェーン全体で排出されているプラスチックの削減に向けた取り組みを行っています。
商品流通容器のリサイクル
左:リサイクル品 右:既存品
液卵用プラスチック容器
キユーピータマゴでは、液卵などの卵製品を入れるプラスチック容器をリサイクルし、リサイクルした再生品を使用する取り組み※を行っています。今まで廃棄していたプラスチック容器がリサイクルされることで、廃プラスチックの削減につながっています。
※2020年より開始
協働による資源循環に向けた取り組み
油付きPETボトル(ドレッシングボトルなど)
キユーピーは、日清オイリオグループ株式会社とドレッシングや食用油に使用されるPETボトルの資源循環に向けて協働を開始しました。
油が付着したPETボトルは、リサイクルの洗浄工程で油が残り、再生PETの品質に影響を与えることが懸念されており、リサイクルの仕組みが社会的に実装されていません。油を使用した商品を取り扱う企業同士が協業することで油を使用した商品のPETボトルが資源循環できる社会をめざします。
2024年度は、両社の知見を生かした技術の確立と技術検証を進めるための効率的なサンプル収集のため、千葉市内のイオン・イオンスタイル8店舗で、使用済み油付きPETボトルの回収実証実験を実施します。
マヨネーズボトル
キユーピーは、味の素株式会社と両社が参画する海洋プラスチックごみ問題の解決に向けて官民連携で取り組む、業種を越えたプラットフォーム CLOMA (クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス)の活動として、マヨネーズボトルの資源循環に向けた協働を開始しました。
国内のマヨネーズボトルには、主にポリエチレン(PE)というプラスチック素材が使用されています。PEは食品包装に多く使用されていますが、素材の種類や他素材と複合しているものが多いことから、飲料PETボトルに代表されるような水平リサイクル※1の仕組みが社会的に実装されていません。
また、マテリアルリサイクル※2による水平リサイクルを実現するためには、マヨネーズボトルと同じ素材のプラスチックを回収し、きれいに洗浄した上で、リサイクルすることが重要になります。これらの課題に対して企業の枠を超えて協働することで、マヨネーズボトルを資源循環できる社会をめざします。
2024年度は、川崎市内のイトーヨーカドー1店舗で使用済みマヨネーズボトルの回収実証実験を実施します。
※1水平リサイクルとは、限りある資源を有効に使用するため、使用済み商品の容器・包装を原料として循環させ、再び同じ種類の商品容器・包装を製造することです。
※2マテリアルリサイクルとは、リサイクル手法の一つで、廃棄物をその性質を変えずに、原料として再利用する方法です。