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キユーピーアヲハタニュース

2013/6/27 No.28

★食生活総合調査

<2012 年度キユーピー食生活総合調査③>

50〜79歳女性の意識調査結果<買物行動>

シニア層に弁当・惣菜などの「中食」利用率上昇の傾向
食品の宅配・配達サービスにもニーズあり

 キユーピーは、1989年(平成元年)から毎年、「食生活総合調査」を実施しています。本リリースでは、 2012年度に実施した、50〜79歳の未婚者以外の女性を対象とした調査の内容を報告します。この報告は、 ニュースリリースNo.24(2013年6月14日発表)、No.27(2013年6月20日発表)に続く3回目にあたり、 シニア層の「買物行動」について掘り下げます。シニア層の「買物行動」には、(1)中食の利用率と積極的な利用意向の上昇、 (2)弁当・惣菜購入で大型総合スーパーの利用増、(3)食品の宅配・配達サービスにニーズの高まり、などの特徴があることがわかりました。
 本調査のおもな結果の報告は、3回目にあたる今回で終了となります。

買物行動(1) シニア層の中食利用率と積極的な利用意向が上昇

 「市販の弁当や惣菜などを利用する頻度」を尋ねる問いへの回答を見ると、2009年に比べて、 対象すべて(50代、60代、70代)において利用頻度が高まっていることがわかりました。「利用しない」を除く「利用する」 (頻度問わず)の合計を見ると、50代が98.4%と突出しています。ただ、2009年からの伸び率で見ると、 60代後半の伸びが顕著で、7.9%にも上ります。
資料1 弁当・惣菜の利用頻度と利用場面
 また、「市販の弁当や惣菜などを利用する場面」を尋ねる問い(複数回答可)に対する回答を見ると、60代は 「簡単に済ませたいとき」「おいしいものが食べたいとき」「売場を通っておいしそうに見えたとき」の3項目が伸びており、 “市販の弁当・惣菜はおいしい”という認識の高まりが見受けられます。一方、減少傾向が顕著なのは「外出したとき」 「作るのが面倒な・作る気力がわかないとき」の2項目で、必ずしも消極的な理由だけで中食を利用しているわけではない、 ということがわかります。その傾向は50代にも表れており、「もう一品増やしたいとき」に利用している割合が大きく伸びています。


買物行動(2) 弁当・惣菜購入で、60代以上に大型総合スーパー利用増

資料2 60代以上の調理重視項目・実施項目
 「弁当や惣菜を購入する場所」を尋ねる問い(複数回答可)に対する回答を見ると、50代は「コンビニエンスストア」の 利用率が最も高く、2009年からの比較でも6.8%と大きく伸びていることがわかります。
 一方、60代以上は「大型総合スーパー」の利用率が最も高く、2009年と比較しても7.3%のプラスと、その傾向が顕著です。
 ただ60代以上でも、60代後半を除けば、弁当や惣菜を購入する場所として「コンビニエンスストア」の利用は増えており、 特に60代前半の6.1%の伸びは、50代の6.8%に迫る勢いです。50代から60代前半の比較的若い層で利用が伸びている点が注目に値します。
 一方、調査対象のすべての年代(50代、60代、70代)で弁当・惣菜の購入場所として利用率の減少が認められるのは 「百貨店の食品売場」でした。
【資料②の補足「延べ回答数」】以下の惣菜それぞれで回答された購入チャネルを延べ回答で集計
おにぎり/弁当/丼もの・カレーなどの米飯類/寿司類/パン、サンドイッチ/サラダ/から揚げ、フライ、てんぷらなどの揚げ物


買物行動(3) 60 代以上に、食品の宅配・配達サービスのニーズあり

資料3 60 代以上が食事準備者不在時に検討すること  「日頃食品の買物や調理を担当している人が、様々な理由で買物・調理ができないとき、どのようなことを検討しますか」 という問い(複数回答可)に対する回答を見ると、60代以上の約7割が「同居している家族や親族の手を借りる」と回答しています。 2009年との比較でも、6.9%と高い伸びを見せています。
 しかしながら、2009年からの変化で捉えた際、60代以上で最も増加率の高い項目は「生鮮食品や加工食品などを配達して くれる宅配サービスを利用」を検討することでした。このほかにも、「お店で買った品物を自宅に届けてくれる 配達サービスを利用する」が6.8%のプラス、「一食がセットになった調理済み(温めるだけで食べられる)の 食品配達サービスを利用」が6.5%のプラスと、“宅配”“配達”といったキーワードが浮かび上がってきます。

 また、「近くに住んでいる友人や知人の手を借りる」ことを検討するシニア層が減少した一方で、 ヘルパーであれば頼りたいとする、微妙な心理も見て取れます。

   《まとめ:調査結果から》
 対象者全体(50〜70代)の買物行動を、2009年からの変化で捉えたとき、市販の弁当や惣菜を利用することへの抵抗感・ 後ろめたさの低下を感じ取ることができます。それは、単に利用率が増加したというだけでなく、その利用場面として、 「もう一品増やしたいとき」「おいしいものが食べたいとき」「売場を通っておいしそうに見えたとき」といった 積極的な理由が見受けられるからです。
 食生活総合調査①<食事行動>の中で、シニア層に「おいしさ重視」の傾向があることを報告しました。 おいしいものが食べたいから市販の弁当・惣菜を利用する、という構図が、少なからず存在していると言えそうです。
 弁当・惣菜などの「中食」をはじめ、「宅配・配達」なども、今後ますます進行する超高齢社会において、 重要なキーワードになり得そうです。


【調査方法の概要】
■調査手法 留置調査
■調査対象 50〜79歳の未婚者以外(既婚、離死別)女性
(首都圏1都3県)
■割  付
A.国勢調査(2005年)の総人口既婚率
B.人口推計年報(2012年10月1日時点)の総人口
AとBを1都3県別・5歳刻みで計算
■有効回収数 : 482人(回収ベース)
50〜54歳:81人、55〜59歳:103人、60〜64歳:95人
65〜69歳:81人、70〜74歳:70人、75〜79歳:52人
■調査期間 2012年11月7日〜11月21日